脳のクセ

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 競技力を向上させる人とそうでない人の大きな違いに、脳内にどのくらい「陸上競技」が入っていますか?ということがあると考えています。人間は日常生活において、膨大な情報と対峙しています。全ての情報を脳に入れてしまうと、何と脳が焼き切れてしまうというのです。よって脳は、情報を取捨選択し、できるだけ入れないように働いています。つまり言い換えると、脳の基本機能は、やりなくない、さぼりなのです。

 陸上競技で結果を出したいなら、脳内に「陸上競技」を多く入れなくてはなりません。多く入っていれば、「陸上競技で結果を出す」ために必要な情報を脳が見つけ出し、無意識に行動を選んだりします。大リーグで活躍する大谷翔平選手は、野球の才能が突出しているだけでなく、脳内が野球で埋め尽くされています。外食もほとんどしないようですし、身体を回復させるために1日に10時間以上睡眠をとるそうです。恵まれた才能に加え、脳のクセである、さぼりも完璧に克服した大谷選手が、世界最高峰のプレイヤーに登りつめるのも納得がいきます。

 中高生の場合は、学生として陸上競技を行っているので、脳内全てを陸上競技にするわけにはいきません。学校の勉強もありますし、若い時期に様々な経験をすることは有益なので、陸上競技のことだけを考えろというも極端な気がします。しかし、もし勉強と両立しながら陸上競技でも結果を出したいとなると、脳のクセと戦う必要が出来てきます。勉強だろうと陸上競技だろうと、成長を求めて向き合うと、脳に負荷がかかります。いくら陸上競技が好きでも、きつい練習はきついし、記録が出なければやる気も低下します。すると、脳のさぼり、やりなくないが発動してしまうのです。

 脳のクセに屈してしまうと、脳は情報力が少なく、負荷もない、娯楽や遊びを選択するようになるのではないかと考えています。娯楽は、種類にもよりますが、快楽物質であるドーパミンを脳から放出させます。つまり、一時的に脳が幸福になり満足するのです。しかし、ドーパミンはすぐに消滅してしまうので、再び脳が娯楽を求めます。例えば、スマートフォンのゲームやギャンブルなどに依存してしまうのは、脳からドーパミンが出るような仕掛けをその道のプロが考えてつくっているからなのです。

 学生時代、陸上競技を頑張りながらも、東京大学に合格した人がいました。その人は、部活以外の時間は勉強に集中するため、家に携帯電話やテレビ、ゲーム、漫画といった娯楽の類は一切置かないという話をしていました。つまり、高いレベルで両立していくためには、我慢しなくてはいけないこともあるのは間違いないのです。陸上競技で記録が伸びない、特に中高で活躍したのに大学ではさっぱりという人は、脳内が陸上競技より遊びになっている場合が多いです。そして、超人の大谷選手でも、二刀流なのですから、あれもこれも意識が分散していたら結果は中途半端なものとなる可能性が高いです。自分にとって本当に大切なものは何か、結果を出すなら基本は一点突破です。息抜きの遊びは否定しませんが、脳のクセに負けず、戦うことも心の成長につながると考えています。

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