心のあり方

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 陸上競技の指導をしていて、強く感じることは、やはり心のあり方が大切だということです。心のあり方とは、取り組む姿勢や自己を成長させたいという欲求、最後まで諦めない気持ちなど、よりポジティブな思考をさします。心のあり方に競技力は関係ありません。心のあり方が間違えていれば、競技力が高くても、価値がないと考えています。例えば、日大アメフト部の事件などはその典型で、道徳を犯してでも結果を出せばよいという姿勢が見え隠れしています。

 競技力はあまり高くないが、練習を休まず来ている選手がいます。現状は、大きな大会を目指すというレベルではないですが、目標に向かいよく頑張っています。先日記録会に出場したのですが、とても嬉しいことがありました。持ちタイムが同じくらいの組で上位に入り、リレーではゴール前で1人をかわすことができたのです。これは自信になったようです。表情を見ればわかります。はたから見れば、大したことはないし、賞状がもらえるわけではないです。しかし、心を前向きに取り組めば、成長の機会が訪れるのです。

 陸上競技のよいところは、自分の目標を個人で決められるということでしょう。少し話はそれますが、例えば、これがバスケットボールやソフトボールなどの団体種目ではそうもいかないケースが考えられます。チームで目標を統一しないと、中々うまくいかないことが想像できます。1人は全国大会を目指しているのに、周りはそこまでは目指していない。大人気漫画「スラムダンク」のとあるシーンで、似たような状況が描かれています。モチベーションは高いのに、周囲と目標を共有できないのです。(漫画では、後に同じ目標を持ったメンバーが揃い、全国大会に出場します)球技系のスポーツ強豪校は、一般の入部を募集せず、スポーツ推薦のみという場合もあります。これには賛否があるかと思いますが、それだけ目標をしっかり持って活動できないと結果には結びつかないということだと思います。陸上は競技特性上他者と競争していますが、本当に競争しているのは自分自身です。どういった目標であっても、たとえ競技力が低くても、心のあり方次第で、大きく成長し、充実した時間を過ごすことができます。

 現代は価値観が多様化した時代です。その分自分なりの価値観をもつことが求められるのではないでしょうか。他者が作った価値観にふりまわされてはいないか。自分の心と向き合い、心のあり方を考える。指導者として自問自答していきたいです。

コメント

  1. たかし より:

    組織の存在する目的や理念の設定と共有が大切ということですかね。

    • 塚越健太郎 tsukakoshi より:

      コメントありがとうございます。
      その通りだと思います。特に伝統や文化のないチームは、土台づくりとして必ず理念の設定や共有は必要だと感じています。

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