肉離れについて

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 肉離れは、筋や腱などの組織が突然の負荷や急激な運動によって損傷し、痛みや腫れなどの症状が現れる状態を指します。陸上競技選手では、特に太腿の裏側の筋である、ハムストリングスに起こりやすいです。程度にもよりますが、肉離れをすると、最低でも1か月程度は完全復帰にはかかり、重度の場合は、シーズン中の復帰は困難になることもあります。また、痛みがなくなっても、違和感が残るなど、予防したい怪我の1つです。

 これまでの経験から、肉離れが起こりやすい人の特徴や対策をいくつか挙げていきます。あくまで個人的な考えなので、もし肉離れが疑われる場合は、速やかに医療機関を受診することをおすすめします。

原因➀ハムストリングスの筋力や柔軟性が低い⇒ハムストリングスが発達していない。にもかかわらず、それなりのスピードで走れる人は、肉離れを起こしやすいと考えています。柔軟性とは、伸張性収縮のことで、筋が引き伸ばされながら力発揮する能力を指します。

原因②殿筋が使えていない⇒スプリントにおいて、地面をキックする際には、殿筋群を中心とした股関節伸筋が強く作用します。ハムストリングスも股関節伸筋なのでよく使われている筋です。しかし、殿筋がうまく使えていない場合、ハムストリングスに過剰に負荷がかかり肉離れを起こすという考えです。

原因③過剰に足を後方に蹴り上げている⇒地面を蹴ろうという意識がありすぎると、足が後方に流れ、前方に引き戻す際に、ハムストリングスに過剰に負荷がかかります。特にスピードが乗ってきた中盤以降は要注意です。

原因④春先のスピード練習⇒冬季明けは、身体の疲労があり、スピードにも慣れていない状態です。また、気温が低い日は体が動きません。そんな中、無理してスピードを上げた走りをしようとすると肉離れのリスクが上がります。

原因⑤別の怪我をしていた⇒例えば、捻挫などをした場合、軽傷であっても無意識にかばうような動きをしてしまうことがあります。筋のバランスが崩れることで、走りの動作が乱れ、肉離れにつながるということもありえます。

 次に各原因に対する、対策についてです。

 原因➀には、ハムストリングスの筋力と柔軟性を向上させるトレーニングを取り入れましょう。おすすめは、RDL(ルーマニアン・デッドリフト)です。また、ハムストリングスの柔軟性を高めるも参考にしてください。

 原因②には、殿筋を使えるようにトレーニングしていきます。ステップアップHT(ヒップスラスト)DL(デッドリフト)などの種目を選択します。

 原因③には、ミニハードル走が有効です。地面に足が着いたら、前に持ってくる。というイメージで走りの動きを改善していきます。また、250mなどのロングスプリントの練習も走りの動作改善になります。地面を過剰に蹴り上げるような走りでは、ロングは走り切れないためです。

 原因④には、とくかく春先は怪我のリスクが高いということを意識しておくことです。疲労が溜まっていたり、気温が低い日は、スピード練習を回避するなどの対策をします。

 原因⑤には、腕のあるスポーツトレーナーに身体のバランスをチェックしてもらうことが大切です。軽い捻挫程度でも油断しないことです。

 これら以外にも原因はあると思いますので、1つの参考にしてください。競技力が向上してくるほど、怪我のリスクも上がります。信頼できる医療機関やトレーナーなどと連携していくことも必要になっていきます。

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