筋肉の特性(運動生理学③)

スポーツ科学

 筋肉は、骨格筋(主に骨格を動かす)、心筋(心臓を収縮させる)、平滑筋(主に内蔵や血管などの内部組織にある。ほぼ無意識に働く)の3つの種類があります。

 その中でも、運動に関わる骨格筋は、遅筋速筋に分けられます。

 遅筋は、赤筋やType 1と呼ばれます。筋の特性は、力の発揮は弱いが、持久力が高です。主に、長時間の運動時に動員され、酸素を利用してエネルギーを生成します。酸素を貯蔵するミオグロビン等のタンパク質を多く含むため、赤く見えます。

 速筋は、白筋やType 2と呼ばれ、力の発揮は強いが、持久力は低いです。速筋は、毛細血管、ミトコンドリアが少ないため、持久的な運動が苦手です。ただ、Type 2Aという、遅筋と速筋の中間のような筋も存在します。ピンク筋とも呼ばれ、持久力と力を兼ね備え、一定の時間にわたる中程度の運動が得意です。

 筋肉の量を増やし、短距離的な能力を向上させるには、速筋を増やす必要があります。そのためには、小さな負荷ではなく、大きな負荷がかかるトレーニングでなくてはなりません。サイズの原理という、筋力発揮の際に小さな運動単位(遅筋)から動員され、必要とされる筋力が増加するにしたがってより大きな運動単位(速筋)へと順に活性化されていくという特性があるためです。

 つまり、速く走らないと速筋は動員されないといえます。必然的に、距離や運動時間は短くなります。

 また、サイズの原理には例外が存在します。遅筋を立ち上げず、速筋が優先的に使われる運動です。1つは、伸張性収縮が起こる運動です。代表的なトレーニングに、プライオメトリクストレーニングがあります。他には、不整地(芝や砂浜)など路面が把握できない状態では速筋が動員しやすいようです。人間は視覚情報で路面の硬さを把握しているため、視覚情報を失うと出力が狂うからだといわれてます。世界的なスプリンターを数多く輩出しているジャマイカにおいても、芝で走る様子が多く見られます。

 このように、筋肉の特性の基本を理解し、どのような能力があるか、どうしたら鍛えられるのかを意識して練習していきましょう。

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