速さの秘密は本当に斬新フォームか?

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 中2で100m11秒89、小学生の時から活躍する、三好美羽選手を特集した動画を見ました。

 三好選手は、スタートから爆発的に加速し、前半で抜け出し、逃げ切るというレースを見せることが多いです。50mまでは、現時点でも、トップのシニア選手と同等以上といってもよいかもしれません。

 動画では、一般的な走りと比べて、体幹部を大きく動かしていることが速さの秘訣だと分析していました。確かに、このような動きが、前半の強さに繋がっている可能性は高いと思います。ウサイン・ボルト選手も、体幹部を動かし、1歩1歩の推進力を増すような動きをしていたはずです。

 ただ、このような特殊な動きは、メリットばかりではないように思えます。体幹部を大きく動かす走りは、スピードに乗ってきた後半部分で、減速につながることもあるだろうと予測します。大きく動かすということは、その分、速く動かすことが難しくなるからです。後半のピッチ低下や接地のタイミングが合わなくなり、走りがバラバラになりやすいかなと思いました。

 ここまでは、三好選手の走りを見ての感想ですが、動画で気になった部分が他にあります。それは、三好選手のこのフォームを、指導者が意図的に指導して身に付けさせたかのようなシーンがあったことです。その後、椅子を使った、運動なども紹介されておりました。

 気をつけて欲しいのは、三好選手が速いからといって、その理由が、斬新なフォームだから、マネしようと思わないことです。

 速さの本当の理由は、フォームではありません。答えは、下の画像になります。

 よく見なくてもわかりますが、三好選手、下半身の筋の発達が著しいです。特に、スプリントに必要な、殿筋内転筋などが、中学生レベルではありません。また、肩周りなどの上半身もしっかりしております。隣に別の選手が映っていますが、明らかに体つきが違います。(恐らく、隣の選手も全国レベルではあると思います。)

 つまり、私見ではありますが、本当の速さの秘密は、女子中学生レベルでは、突出した筋力の強さだと結論づけます。

 斬新なフォームに目がいきがちですが、本質は、そこではなく、もっとシンプルです。また、恐らく、というか、確実に、このフォームは、指導者に指導を受けて、身に付けたものではありません。元々こういう走りです。本人も言っていますが、個性であり、マネをするものでも、まして、批判するものでもありません。

 三好選手には、ぜひ今のままを貫いて欲しいと思います。くれぐれもフォームがどうのこうのという指導者には当たらないで欲しいです。ジャマイカのフレーザー・プライス選手のような、前半逃げ切り型のレースで、日本記録を目指していってください。

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