ルーブリック

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 前回は、これからの時代に求められる力についての記事を書きました。これからの時代に求められる力

今回は、これらの力が実際に身に付いているかを評価する方法について述べていきます。評価をすることで、「あれができた」「これができなかった」と単純に判断するだけでなく、「何がどのようにできているのか」「何を改めればさらに良くなるのか」を、評価結果を踏まえて振り返ることにより、目標達成や課題の克服に対する意欲を向上させることができるのです。

 目標とする15の力は、「目に見えにくい」ものです。タイムや得点などのように具体的な数値として現れるものであれば評価は難しくありませんが、「目に見えにくい」ものをどう評価していくのか。1つの有効な手段として下のようなルーブリックという評価法を紹介します。

 まず、自分が高めたい15の力から1つ選んでみましょう。そして、その力が身に付いたかどうかを3段階で評価します。それぞれを、ベンチマーク(評価C、必要最低限のレベルはクリアしている状態)、マイルストーン(評価B、成長途中の状態)、キャップストーン(評価A、最高の状態)、と呼びましょう。
【ベンチマーク】C
あなたが選んだ高めたい力について、「これくらいはできるようになっておきたい」と考える行動や、達成度(ルーティンなら達成率など)について書きましょう。
【マイルストーン】B
ベンチマークの行動や達成度からは成長できていると考える、より質の高い行動や能力が高まった状態について書きましょう。
【キャップストーン】A
マイルストーンの状態よりもさらに成長した、この力については、この状態が自分の考える最高の状態だ、という行動や達成度について書きましょう。いわば、その力を最大限に発揮している理想の状態ということです

 例えば、陸上部員として、やりきる力を高めたいとします。評価基準としては、A(キャップストーン)が、「学んだことをまとめ、今必要な実践を選択する。その際、目的・目標を明確に定め、短・長期的な展望をイメージしている。修正が必要な場合も支援者の協力を得て、日々改善を行っている。」 B(マイルストーン)が、「学んだことをまとめ、今必要な実践を選択する。その際、目的・目標を明確に定め、短期的な展望をイメージしている。修正が必要な場合は自らの知識から改善策を見つけている。」 C(ベンチマーク)が「今必要な実践を選択する。その際、目的・目標を明確に定め、イメージしている。修正が必要な場合は自らの知識から改善策を見つけている。」と設定します。

 2週間~1か月程度の期間を経て、自分の部活動での行動をふりかえり、自己評価をします。自分につけた評価がC(ベンチマークで設定した状態)だった場合は、ルーブリックシートの一番右の欄「Cの場合の対策」に、どうすれば改善できるのかを考え、具体的なアイデアや改善策を書きましょう。自分につけた評価がAだった場合は、さらにその力を高めるために、もっとレベルの高い評価基準を設定しなおすか、別の力を選んでルーブリックを作成し、高めていきましょう。

 ルーブリック評価ははじめは難しいと思います。しかし、慣れれば、「目に見えにくい」力を評価し、自己成長していく上で欠かせない考え方だと理解できるようになるでしょう。

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