本質とは何か

コーチング

 近年、動画サイトやSNS等の普及により情報を得やすい時代になっています。速く走る方法やコツ、練習方法など大量の情報が出回っています。競技力が高い選手の練習などを知ることは、競技力の向上に役立つことは間違いありません。

 しかし、競技歴の浅い中高生や初心者にとっては、情報が多すぎて、本質を見失うということも起こりがちだと感じています。例えば、競技力が高い選手があまり馴染みのない特殊な練習をしていたとします。(具体的には、短距離ならスプリントドリル、ハードル選手ならハードルドリルなど)それらを見て、強い選手が行っているなら真似をすれば速くなれると安直に考えるのは、危険な場合があります。なぜなら強い選手は競技力を向上させる上で重要な本質的な練習を完璧に抑えた上で、さらに伸びしろがないかと個々の課題を見つけ、特殊な練習にたどり着いていることが多いからです。また、youtube等で紹介されているいわゆる速く走るコツといものは、スプリントドリルなど技術的な側面が多い印象です。もちろん技術をおろそかにしていいというわけではありませんが、あまりにも目に見える動きやフォームやドリルに捉われてしまうのも違うと考えています。やはり陸上競技の本質は、

 どれだけ、自分のもっている全力の筋出力を短い時間に発揮できる

ではないでしょうか。(長距離は例外の場合もある)つまり、ドリルをしたり、きれいなフォームをつくることも重要ですが、それに捉われてしまうと、荒々しいガツガツした力感のある動きができなくなる恐れがあるのです。力み過ぎはフォームを乱しますが、適度に力む練習も必要なのです。

 野球界のレジェンド・イチローさんが高校生に指導をするという企画がありました。この企画でイチローさんが特に重要で高校生に伝えていたことに、限界の全力の練習をするというものがありました。練習量が多いと、人間は無意識に体力が持つように力をセーブしてしまうのです。そして、それがクセになってしまうと、試合で力を発揮できないと言っていました。イチローさんは、キャッチボールでもバッティングでも全力で行う様子を高校生に見せていました。

 つまり、どんな競技でも、どんな競技レベルでも本質はシンプルなのではないでしょうか。そして、本質を抑えた練習をシンプルに継続することが、競技力向上への王道なのです。

 最後に、短距離種目において、あまり全力を発揮できない人やフォームばかり気にしている人におすすめの練習を紹介します。ぜひ、フォームなどは1度置いておいて全力の筋出力を出す意識で行ってみてください。

 レジステッド走

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