陸上競技の経験がないのに、陸上部を指導することになった場合の考え方と練習メニューの作り方を紹介します。専門の指導者がおらず、自分たちで練習を考えなければならない、中高生も参考になればと思います。
まず、未経験者が指導をする場合、専門的な指導を、きめ細やかに行うことは難しいでしょう。よって、
陸上競技の根幹となる部分を、短時間で集中して行う
ことをおすすめします。私の感覚では、中高生の初心者レベルであれば、1日1時間の練習を週の3~4回でも記録を伸ばすことは可能です。
➀1周150mほど、直線で60mほどのグラウンドを週3回使えること ②ハードルやミニハードル、砂場等の学校にある道具を使用できること ③1日1時間で週3回の活動を前提に、短距離の練習メニューで抑えるポイントを挙げていきます。
まず、時間短縮のために、ウォ―ミングアップメニューを固定します。1時間で練習を終える場合は、10分程度で身体を温めます。一般的なジョギングを400mほど行うとよいでしょう。もし、リレーに出場している場合は、バトンパスをしながら、ジョギングします。その後は、ダイナミックストレッチや、スキップ、腿上げ、流しなど、股関節周辺を動かしておきます。アクチベーションドリルはできれば理想ですが、難しい場合はカットで構いません。
ウォ―ミングアップが終わったら、メインメニューに入ります。週3日で練習する場合は、3パターンのメニューを作っておきます。短時間で練習するため、毎回練習メニューが変わったり、その時までメニューがわからないと、動きが遅くなります。
Aパターン(スピード)
➀SD(スタブロ練習)25分⇒30m~50mほどを目安に、距離、本数は自由。
②加速走25分⇒10m+40m(スタンディングから10m助走し、40mでさらに加速してく)、50m+50m(直線で往復する。1本目の50を走り終わったら、再加速するイメージで折返し2本目)などを各自休憩しながら。
Bパターン(スピード持久力)
➀SD(スタブロ練習)25分⇒30m~50mほどを目安に、距離、本数は自由。
②エンドレスリレー20分⇒人数にもよるが、リレー形式で。100m専門は150m、400m専門は300mほどで行う。
Cパターン(体づくり)
➀サーキットトレーニング40分⇒陸上競技にとって、体づくりは練習メニューに必ず組み込む。時間制のサーキット形式なら、体力レベルの応じて、量を調整できる。
②流し等10分
同じメニューでもよいのか?と思うかもしれませんが、指導者もその方が楽ですし、時間制にすることで、本数を増やしたり、負荷を変えることは可能です。冬季練習や試合期の調整に関しては、変更する点は出てくるかと思います。しかし、何をしてよいかわからず、だらだらとおしゃべりをする時間が多い練習より、はるかに記録向上が期待できます。また、記録が出れば、意欲も向上し、時間内でどんなことを意識したらよいのか、自ら工夫して練習できるようになります。
最後に、サーキットトレーニングのメニュー例を載せておきます。アレンジして使ってみてください。ダウンロードされた場合は、ぜひ感想など、コメントをいただければ幸いです。
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