先日、久しぶりに中学の地域別大会を見に行きました。1年生の出場がメインの日程でしたが、運営はスムースで、タイムテーブルよりも早く競技が進行していました。スタートのやり直しや機器のトラブル等もほとんどなかったように見えました。審判や役員に携わる先生や陸協の方々の尽力失くして、大会の開催はできません。近年は、働き方改革等で部活動は縮小傾向にあり、見直しを図る機運が高まってきています。過重労働が原因で、教員のなりてが減るなど、部活動には問題があり、厳しい意見があることも間違いありません。しかし、ものごとはプラスマイナス50、50であり、良い面、悪い面が両方存在しています。良い面に目を向ければ、多感な時期のこどもたちにとって、陸上大会に参加することに意義はあります。そして、出場する選手やその指導者は、ぜひとも価値のある活動にして欲しいと強く願っております。
こどもたちの成長にとって、大切なことに、成功体験があげられます。何かに挑戦し、うまくいった、成功した等の経験が自己効力感にも強く影響します。そこで考えたいことは、成功体験をどう定義するかです。ここを間違えると、例えば、「全国大会に出場しなければ価値がない」といった、有形の結果しか見えなくなります。もちろん、全国大会を目指すことが悪いことではなく、能力が高い人は上の大会を目標にしてよいです。きっと、全国大会で活躍すれば、人生の大きな自信になることでしょう。しかし、全国大会で活躍する選手は、ごくわずかであり、仮に中学校で活躍しても、高校、大学でも活躍できるかといえば、そうでないケースも多々あります。よって、成功体験=目に見える結果、成果のみにしてしまうと、挑戦したいという欲求もなくなってきてしまうのではないでしょうか。
現在のチーム状況としては、スタートしたばかりという感じで、すぐに上位の大会に出場は難しいです。では、成功体験は積めないのかと言われると、そんなことはありません。「大会に出場できたこと」「バトンミスしなかったこと」「決して速くはなくても、目標記録をクリアできたこと」などを成功と定義するのです。そのためには、他者との比較を過度に行わないことです。陸上競技は、競技の特性上、他者と競争をしています。しかし、本当の意味で競争している相手は、他校の選手ではなく、自分自身が立てた目標なのです。他者から見たら、大会に出場できたことなど当たり前のことでも、関係ありません。大会に出場することを目標にし、そこに向け、日々努力できたのなら、それは成功体験なのです。
初めてのリレーは、少々のバトンミスはありましたが、無事に記録は残りました。都大会出場はまだまだこれからですが、選手たちは非常に喜んでおり、指導者としても満足のいく結果でした。私自身も、有形の結果のみに拘るのではなく、その過程やチームとして目指す目標に価値を感じるようになってきていました。もちろん、有形の結果を出すことを諦めているわけではなく、チームが成長してくれば、いずれは全国大会へという気持ちはあります。それには、指導対象者の思いや願いがまず第一にあり、小さな成功体験の積み重ねが必要不可欠です。指導者として、まだまだ腕を上げていきたいですね。
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