正しい方向に導く

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 リーダーの役割は、正しい方向に導くことだといいます。結果を出す組織やチームは、リーダーの示す理念に共感し、全員が同じ方向を見ているように感じます。リーダーの人間としての器が、組織の方向性を規定します。

 甲子園優勝を果たした、慶應義塾高校の森林貴彦監督は、「勝利ばかりに傾倒することなく、ひとりひとりが成長しよう。チームとしてたくましくなろうとやっていくと自然と勝利にも近づく。甲子園を人生最高の思い出にするのではなく、さらにいいことがまっているような人生を歩んでほしい」とインタビューでおっしゃっていました。また、ベンチ入り以外のメンバーにも、データー分析や応援など役割を与え、みんながチームに貢献しようとする気持ちを育てていたそうです。坊主を辞め、髪型を自由にしたことが話題にもなりましたが、森林監督というリーダーが正しい方法を定め、部員を根気強く導いたことが大きな成果に繋がっていることは間違いありません。このように、協働型、ボトムアップ型のリーダーシップがこれからの時代には求められています。学校や部活動に限らず、全ての組織に当てはまる考え方だと思います。

 しかし、組織の成長段階を鑑みて、トップダウン的に指示命令が必要な場合はあります。あまりに規律がない場合などは、任せてばかりいてもうまくいきません。慶應義塾高校も、基本的な態度や姿勢が出来ているからこそ、ボトムアップ的なリーダーシップを発揮できるのです。それを勘違いすると、フレンドリータイプの組織となり、慣れ合いの関係に終始してしまします。

 イチローさんが高校生に野球を指導する企画において、「指導者はある程度怖い存在でなくてはならない」とおっしゃっていました。と同時に、次のようなメッセージも残していました。

 「指導者や監督が、どこへ行ってもそうなんだけど、厳しくできないって。時代がそうなっちゃっているから。導いてくれる人がいないと、楽な方へいくでしょ。自分に甘えが出て、結局苦労するのは自分。自分に厳しくできる人間とできない人間でどんどん差がでてくるよ。だから、できるだけ自分を律して厳しくしてほしい。」

 リーダーは、自分の指導理念を掲げ、指示命令に終始する厳しさから、成長へと繋げる厳しさ発揮をする。そして、部員、部下、生徒は依存することなく、自ら思考し、自らを律する。つまり、リーダーと部員、部下、生徒が協働的に成長する組織を創らなければ、結果にはつながらない時代だと考えます。自己成長しない、理念なきリーダーは、組織を正しい方向に導くことはできないでしょう。

 最後に、山本五十六の言葉です。

 「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」

 日々、修行していかなければなりません。。

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