食は体づくりの根幹であり、どんなものを食べたかで、出来上がる身体は大きく変わってきます。特にアスリートは身体の消耗が激しいため、毎日の食事の影響は非常に大きいと言えます。今回は、毎日の食事の質を向上させるために考えたい食のタイミングについて述べていきます。
多くの人は、朝、昼、晩のタイミングで3食の食事をしているかと思いますが、アスリートの場合は、運動も1日のどこかで行っています。よって、運動と食事のタイミングを考え、何をどのくらい食べるのかを考える必要があります。食べるタイミングで、代謝や回復が変わってくるためです。押さえておきたいことは、、
運動前⇒エネルギーを消費するタイミングに、必要な燃料(炭水化物)がある状態にする。燃料は足りないと、体内の材料(たんぱく質)を消耗してしまう。
運動後⇒筋肉を修復するタイミングで材料(たんぱく質)が体内にある状態。また、燃料(炭水化物)が足りないと、修復できない。
タイミングを間違えると、身体の消耗が増大し、怪我や病気、老化促進などのリスクになることもあります。基本は、3食+捕食です。規則的な3回の食事で身体のリズムをつくり、運動に合わせた補食で機能をあげていきます。運動前の補食としては、持続できるエネルギー源として、おにぎりなどでよいでしょう。食事と運動まで時間が空く場合は、補食は意識してとる必要があります。運動の時間が長い場合は、運動中の補食も用意します。運動中にリスクにならないエネルギー源として、エネルギーゼリーなどが考えられます。運動後は、エネルギー源と筋肉の回復できるものが大切です。プロテインなどのサプリメントも考えられますが、お米にもたんぱく質が含まれているので、中高生はおにぎりを捕食として選択してもよいでしょう。現実的に、中学校の部活動を考えた時には、運動前の補食などは難しい側面もあります。ただ、練習後はなるべく早めに帰宅し、食事をとるなどできることもあります。工夫と意識でだいぶ変わってくるかと思います。高校生の場合は、だいぶ制約も減ってくるので、おにぎりなどを必要に応じて持参するなどで、体づくりに大きな差がつくと言えるでしょう。
また、水分の補給タイミングも考えていきましょう。水分不足に陥ると、パフォーマンスが低下し、熱中症の危険や回復力の低下などの危険性もあります。体内の水分総量は、体重の3分2ほどあり、体温保持作用や血液の運搬作用などを担っているためです。運動中は発汗して、約1~1.5ℓを1時間で失います。季節や種目により発汗量は異なりますが、運動前から十分に補給し、運動中も定期的に補給することが大切です。具体的には、、
運動前⇒30分前までに250~500mℓのミネラルウォ―ターやスポーツドリンクをゆっくり飲む。運動直前にはとり過ぎない。
運動中⇒15分毎に水やスポーツドリンクを1~2口(50mℓ~100mℓ)くらい飲む。1度に大量の水分摂取は吸収されにくい。
運動後⇒スポーツドリンクで失われた糖質と電解質(ナトリウム、カリウム)を補給する。甘い飲み物を飲みすぎると食欲がなくなってしまうので、コップ1~2杯程度で、後はミネラルウォーターにする。
以上のような基本的な流れを理解しておいて、どのタイミングで何をどれだけとると良いのかは、自分の生活状況から考えていきましょう。食のタイミングに関して、自分のルーティンとなるパターンを見つけることも大切なので、様々試してみるとよいでしょう。
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