無意識の世界①

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 今回は、運を高めるでも紹介した運のよさと心の関係について、田坂広志先生の著書を参考に考えていきます。

 運がよいとは、どんな状態をイメージしますか。

 「直観」が閃くこと、「予感」が当たること、「チャンス」を掴むこと、偶然の出会いなどがあげられます。どんな分野においても、運が強いことは成功にとって不可欠な要素であり、誰にとっても、幸運な出来事や出会いは大切なものであるといえます。では、どうすれば、幸運な出来事を引き寄せることができるのか。

 どうも、私達の心の状態が、心と共鳴するものを「引き寄せる」という法則があるようです。

 つまり、ポジティブな心の状態がポジティブな良い出来事を引き寄せているのです。これらは、現代の科学で説明はできない現象なのですが、「引き寄せの法則」と呼ばれ、多くの人が経験的に実感していることなのです。

 心の状態をポジティブにする上で知っておくべきことがあります。それは、心の世界には、意識と無意識が混在しているということです。意識の世界とは、通常の目に見える世界の出来事をいいます。例えば、意識の世界で心がネガティブな人は、愚痴や不満は多かったり、不機嫌であることが多いです。よって、同じような愚痴を言う人が集まり、結果として、ネガティブな出来事も引き寄せてしまうです。逆に、意識の世界でポジティブな状態、笑顔で明るく過ごしている人は、ポジティブな言葉をつかいます。笑う門には福来るということわざがあるように幸運な出来事を引き寄せるのです。また、組織において、ムードメーカーと呼ばれる人は、明るい振る舞いから組織全体の心にポジティブな影響を与えます。心の状態は個人だけでなく、集団にも波及していきます。

 次に無意識の世界について考えていきます。無意識については、フロイトやユング、アドラーなどの心理学者によって研究がなされてきています。様々な仮説があるようですが、無意識の世界とは、まず意識的に自覚できないということです。そして、無意識の世界の力は強くて、意識の世界にも大きな影響を及ぼします。さらに、無意識の世界を意識的に変えることは簡単なことではないというのです。つまり、私達の行動は、実は無意識の世界に強く支配されていて、無自覚に人生の多くの行動を選択をしているのです。例えば、「絶対成功する。自分はできる。」と意識の世界でポジティブな思考でいようとしても、どうしても本番で失敗してしまう。ありがちなことでありますが、これは、意識ではポジティブな心であろうとしても、無意識の世界では、「どうせ失敗する。」とネガティブな心になっているのです。よって失敗を引き寄せる。しかも、自分では自覚できないというのです。これが無意識の世界の難しさであります。次回は、なぜ無意識の世界がネガティブになってしまうのか、どうすれば無意識をポジティブにできるのかについて考えていきます。(続く)

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