もしもう1度やりなおすなら~大学編⑱~

もしもう1度やりなおせるなら

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 大学ラストの冬季練習をふりかえると、走る距離や量がこれまでよりだいぶ抑えられていました。長い距離をスピードを落として多く走る練習が減り、今までほぼやってこなかった、いわゆるスプリントドリルがメニューに入りました。具体的にはギャロップという動きなのですが、これが結構自分的にはやって良かったと思っています。走りの課題として、膝下を振り出して地面を捉えようとする動きが強いというのがありました。ハムストリングスが張りやすいことや力みにも繋がっていると考えていたため、ギャロップをしながら、支持脚に体重を乗せていくことを意識しました。自分の脚で能動的に地面に着きにいきというより、自然に脚を振り下ろし、そこに自分が乗っていくというイメージを少しづつつかめるようになりました。走りにおいても、なるべく自分の脚を使わないことを意識しました。感覚的なことになるので表現が難しいのですが、できる限り疲れないように走るとも言えます。また、250m+150mといったメニューの場合は、250mを速く走るということは諦めました。笑 遅くてもよいのでフォームを乱さないように走る。そして、150mは余ったエネルギーでスピードを出す。でもなるべく脚を使わず、楽にきつくならないように意識していました。その結果、楽に走っているつもりでも意外とスピードが出せていることに気が付きました。きついことをやった方が効果があると思いがちで、できるだけ自分を追い込んだ練習をしようと考えてきましたが、練習がきついこととパフォーマンス向上に効果があることは実は関係ありません。自分にとって効果的な練習が、結果的にきついことは当然ありますが、精神的にきついことをすることが目的になってはいけません。ここまで失敗してきた原因がまさにこの考え方だと言えます。

 また、走る量が少し減ったおかげで、ウェイトトレーニングなどを行う余裕が少しできました。この頃はまだ体づくりの知識が足りず、トレーニングのやり方は我流ですが、スクワットやクリーンといった重要種目は自主的に取り入れていました。特にクリーンの重量が向上してきていて、70kg~100kg程度を持ち挙げる力が付いてきました。1年前に比べると、10㎏以上は向上しています。また、補助的なトレーニングにはなりますが、デプスジャンプやハードルジャンプなどのプライオメトリクスも行っていました。

 3年目にして、ようやく走りの技術や体づくりに対して、自分なりの考えを持ってトレーニングができるようになってきました。周りに流されず、自分のペースを保って練習することの大切さに気が付くことができました。このまま順調に冬季トレーニングを乗り越え、シーズンに臨みたいところです。

 が、しかし、1月2月と順調に練習が積めていましたが、思ったよりも体に疲労が溜まっていたようです。3月の沖縄合宿あたりで、腰に痛みがありました。全く走れないわけではなかったため、ここで無理をして練習をしてしまいました。結果、無意識にかばうような動きになっていたのか、今度はハムストリングスに痛みが出てしまいました。肉離れまではいっていないようでしたが、違和感がずっと残り、スピードを上げていく時期ではありましたが、ここで練習を一時中断せざるを得ない状況になりました。これまでハムストリングスを痛めたことはなかったためとても焦りました。シーズンは目の前のため、早く練習に復帰しなくてはと、予期せぬアクシデントにまた自分のペースをかき乱されるかたちとなりました。腰に痛みがある時点で、自分の体と相談して焦らない。少し休んだくらいで体力は落ちません。逆に休めるチャンスくらいの気持ちで良かったかもしれません。この辺も経験というか、限られたチャンスで結果を出す難しさなのです。(続く)

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