絶対値を増やす

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 今回は練習量の絶対値について考えていきます。対象は、経験の浅い中高生や初心者向けの話なので、すでに高いパフォーマンスを発揮している人には当てはまらない可能性があることを前提とします。

 まず、経験が浅い場合、練習量を増やすことを考えます。短距離を速く走りたいなら、短距離を速く走る練習を、平泳ぎができるようになりたいなら、平泳ぎの練習を、ハードル走なら、ハードルを跳ぶ練習を反復連打でたくさんやります。

 …そんなこと当たり前なのでは?と思った人もいるかと思います。

 が、その当たり前が意外とできていないケースがあるのです。

 わかりやすく、体育の授業を例にあげます。水泳の授業で泳げるようにしたい場合、スイミングスクールで習ってるというのを抜きにすれば、授業中にたくさん量をこなす必要があります。夏の時期には毎年水泳があるのですから、繰り返し泳ぎ、絶対値が増えていけば、程度の差こそあれ泳げるようにはなるはずです。授業がうまい先生は、そのことが分かっているため、限られた時間の中で、素早く準備をして、できるだけたくさん泳ぐような授業設計をします。

 しかし、泳げない人が多いクラスというのは、逆のことをしています。準備に時間がかかり、泳いでいる時間が少ない。泳ぎ方云々の説明などが長く、泳いでいない。あまり関係のない、どうでもよいことに時間を使っているなどです。

 結果、絶対値が少なく、上達していかないということになります。

 まずは、できなくてもよいので、やってみることが大切です。

 陸上競技に当てはめて考えます。多くの人は、部活動で陸上競技に取り組んでいるかと思います。その中で、自分は大学も陸上を続ける、または、実業団でも続けると考えている人はどのくらいいるでしょうか。ほとんどが高校まででしょう。中学でやめてしまう場合も多々あります。

 つまり、時間がないのです。

 さらに、部活動は縮小傾向にあり、練習時間に制限がかけられています。つまり、限られた練習時間の中で、成果につながる練習を、どれだけ多く積めるかが重要ポイントになるのです。1日に何時間も練習できるのなら別ですが、奇抜なドリルや本質からかけ離れた練習(例えば、野球選手が長距離走を行うなど)に時間をかけている場合ではありません。おかず理論が示すように、パフォーマンス向上に大きく関係する練習に時間を割き、できるだけ量を増やしていきましょう。その上で余った時間に細かいことを取り入れる。逆をしていては結果は出ません。

 以上の考えから、練習は時間制で行うことをおすすめします。例えば、サーキットトレーニングなら、40分行うメニューにします。本数を固定すると、個々の体力レベルで終わる時間に差がつくため、余った時間がもったいない。できる人はどんどん量を増やしていける工夫です。

 練習量の絶対値を増やすには、とにかくまずはやってみるということ、その際本質から離れたことに惑わされない、そして、量を確保するためのタイムマネジメントが必須になってくるのでないでしょうか。

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