指導者の役割

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 陸上日記では、陸上競技に関わる中で、気づいたことや感じたことを記録していきます。

 現在、中学・高校の部活動として、陸上指導に携わっています。その中で、指導者の役割とは何か?と考える機会があったので述べていきます。

 陸上競技の指導者なのだから、陸上競技を子供たちに教えることが役割です。それはそうなのですが、では、いわゆる陸上競技の技術指導ができれば、よい指導者ということなのでしょうか。個人的な考えですが、走り方や跳び方などを教えるということは、あくまで、指導者の役割の1つの要素に過ぎないと感じています。もちろんこれは、あくまで学校の部活動としての陸上競技指導者の場合であり、実業団やプロスポーツ選手などの指導者では話は変わってきます。後者の場合は、自立した1人の大人がスポーツを生業に生活をしていることが前提なので、指導者は、選手を勝たせるための、技術や戦術を教えることがメインの仕事になります。このように技術を教える人をインストラクターと呼び、より専門的な技術指導が求められます。地域のスポーツクラブなどで行われる活動も、インストラクター的な指導が行われているかと思われます。これはこれで良い悪いはなく、技術指導を求められているのだから、技術を教えればよいということになります。

 しかし、学校で行われる部活動においても、インストラクター的指導でよいかと言われると、先にも述べたように、不十分であると感じます。以下に、文部科学省が示す、部活動の意義について引用します。

 ”部活動は、学級や学年の枠を超えて同好の児童生徒が自主的・自発的に集い、顧問の指導のもとで個人や集団としての目的や目標を持ち、切磋琢磨することを通じて、 人間関係の大切さ、組織を機能させることの重要性を学ぶことができる教育活動である。

 ここで重要なことは、顧問の指導により、目的や目標を持つことや人間関係の大切さ、組織を機能させることを学ぶということです。この中には、技術を高めて、勝利するという意味も含まれているとは思います。しかし、1人1人の生徒に目を向け、個々やチームとしての目的目標を立てさせ、協働的に達成させるという役割も部活動の指導者にはあるのではないでしょうか。実感としては、こちらの方が技術指導以上に難しいです。今だに、部活動をめぐるニュースで、体罰が行われていたというのを目にします。ただ、勝利を目指すというのであれば、スポーツ推薦でやる気や才能が始めから高い生徒を入部させ、意欲が低い部員を排除し、トップダウン的に指示命令型にすれば結果は早く出るかもしれません。しかし、それは、学校教育における部活動の指導者のあり方ではないと思います。

 先日、中学生の大会を観戦しにいきました。4月のため寒く、非常に厳しいコンデションでした。そんな中、有望選手が複数名故障するという事態を目の当たりにしました。本番はまだ先のため無理をする必要はないのですが、陸上競技を経験していない指導者が顧問をしているということも珍しくはないため、判断が難しかったのかもしれません。このへんが本当に難しいなと実感した次第です。

 指導者の役割は多岐にわたり、今後はさらに複雑化していくことが予想されます。しかし、大事なことは、目の前の子供たちを教え、導くということです。常に学び続ける指導者でありたいと改めて思いました。

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