ポステリアルチェーン

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 ウェイトトレーニングにおいて、殿筋を中心に、身体の後面の筋群を鍛える重要性をこれまで述べてきました。人間の後面には、以下のような筋があります。

 この中でも、殿筋、背筋、ハムストリングスは連動して働くため、ポステリアルチェーン筋群と呼ばれています。身体を前方に加速させたり、ブレーキをかけたりする時に、よく働いています。陸上競技でいうと、スプリント、跳躍など、地面をキックするときには、股関節を伸展させ、強い力を出す必要があります。殿筋がしっかりと機能して、背筋群、ハムストリングスなどとうまく連動できれば、パフォーマンス向上や怪我の予防にもなります。

 スポーツの動作には、ポステリアルチェーン筋群以外にも、大腿前面の筋(大腿四頭筋等)も使われているのですが、こちらは、他の筋と連動が起こらず、単独で働く筋になります。前面を優位に使う体になっていると、膝に負担がかかったり、効率の悪い動きになることがあります。スクワットやランジのトレーニングで、踵に体重を乗せることや、膝が前に移動しないようにすると述べているのは、前面の筋ではなく、ポステリアルチェーン筋群を主役にするためです。

 また、スポーツ時に爆発的な動作を作り出す足首・膝・臀部の伸展をトリプルエクステンションと呼びます。例えば、ジャンプやスタートダッシュなどは、トリプルエクステンションを使い、一瞬で強い力を出しています。

 ポステリアルチェーン筋群が連動し、筋力、柔軟性が身についていれば、自然とこのトリプルエクステンションが発生するのです。

 ポステリアルチェーンへのトレーニングの手順としては、まず、FL(フロントランジ)HT(ヒップスラスト)で殿筋を使えるようにし、筋力を向上させる。同時に、RDL(ルーマニアン・デッドリフト)でハムストリングスに柔軟性と筋力をつける。その上で、DL(デッドリフト)で背面全体を強化していくイメージです。

 時間はかかりますが、ポステリアルチェーン筋群の強化は、パフォーマンス向上には必須になるでしょう。トレーニングの意味などをしっかり理解したうえで取り組んでいってください。

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