パレートの法則

 パレートの法則とは、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した冪乗則。経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているとした。80:20の法則、ばらつきの法則とも呼ばれる。ビジネスにおいて、売上の8割は全顧客の2割が生み出している。よって売上を伸ばすには顧客全員を対象としたサービスを行うよりも、2割の顧客に的を絞ったサービスを行うほうが効率的である。(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia』より引用)

 つまり、成果の8割は、費やした時間全体のうちの2割の時間で生み出している。とする法則が存在しているのです。この法則を陸上競技に当てはめて考えてみることにします。陸上競技のパフォーマンスを向上させるために行っている練習の2割が全体のパフォーマンスの8割を支えていることになります。つまりこの2割の練習が極めて重要で、質を高め、集中して行わなくてはならない練習なのです。この2割の練習が何なのかは、人によって異なる部分はあるかと思いますが、陸上競技において、絶対にはずしてはいけない要素というのは存在します。

 1998年に行われたソウルオリンピックにおいて、東ドイツは102個のメダルを獲得しました。日本は14個です。その差は約7倍です。では、日本に比べ、東ドイツの人口が極端に多いかと言われればそうではありません。日本人口1億2千万に対し、東ドイツは何と1600万人だったそうです。つまり、東ドイツは日本に比べ、55倍のパフォーマンスを発揮していることになるのです。

 次に、100mの男子世界歴代記録を調べると、以下の5人の名前が出てきます。

ウサイン・ボルト(ジャマイカ) タイソン・ゲイ(アメリカ) ヨハン・ブレイク(ジャマイカ)

アサファ・パウエル(ジャマイカ) ジャスティン・ガトリン(アメリカ)

 この内、ウサイン・ボルトを除く、4人には共通点があります。ドーピング検査で陽性反応が出たことがあるのです。

 つまり、東ドイツや100mの記録を見ても、ドーピングというルール違反があったということが明白なのです。ドーピングにも様々な効果があるかと思いますが、1つ考えられるのは筋力の向上です。世界大会の決勝にもなると、筋肉の発達が顕著に見られます。それだけ、筋量が多いということは、競技パフォーマンスには有利に働きます。ルール違反という危険性を冒してでも、ドーピングする理由があるのです。

 話を戻します。陸上競技にとって、筋量を増やし、筋力を高めることは、パフォーマンス向上を達成する上での重要な2割に確実に入ってきます。当然、ドーピングのような違法行為が許されるはずはないので、日々のウェイトトレーニングや食事に力を入れることになります。その上で、本質をおさえた競技練習がなされているチームが恒常的にパフォーマンスを向上させていくことになります。練習時間が短くても結果を残すチームというのは、恐らく2割の重要事項をはずしていません。特に中高生のような競技歴の浅い段階では、まずは2割の重要練習が本当にできているのかを考えてください。細かい枝葉の部分はそのあとでも遅くはありません。

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