日本女子短距離が現状打破のために必要なこと

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 かなり偉そうなタイトルになってしまいましたが、完全に個人の意見であり、科学的根拠に乏しい部分もありますので、参考程度に見ていただければと思います。

 さて、短距離走と言えば、かつての日本は、中々世界と戦うのは難しい種目だと思われてきました。

 しかし、近年では、男子に限って言えば、リレー種目ではメダルを獲得することも増え、個人種目でも入賞したり、準決勝まで勝ちあがるレベルになってきています。100mで言うと、一流と言われる9秒台を記録したり、10秒台前半の選手も増えてきています。

 ただ、男子選手に比べると、女子選手のレベルは低迷しているように感じられます。その原因は、当然、何かと言い切れるものではありませんし、複数の要因があると思います。

 その要因の中で、とても気になる部分があるので、今回は1つに絞って考えてみます。

 それは、体づくりです。

 私は、男子のレベルの向上の大きな要因は、体づくりが進んできていることだと考えています。ここ15年くらいで見ても、明らかに日本選手の筋肉量が増えていると感じています。

 100m決勝で多くを占める黒人スプリンターは例外なく筋肉量が多いですが、それに匹敵まではいかなくても、確実に近づいているのではないでしょうか。

 近年では、SNS等の発展により、トレーニング方法や栄養等の情報が得やすくなりました。また、世界で戦う選手も増え、体づくりの重要性が認知されるようになってきているのでは?と予測します。

 しかし、女子選手はというと、あまり体づくりを重視している印象がありません。トレーニングの風景を見ているわけではないので、勝手なことは言えないのですが、単純に映像で見ても、筋肉量が少ない印象はやはり受けてしまいます。

 海外の100mを10秒台で走るようなトップ選手は、女子でも筋の発達が著しいです。アメリカのリチャードソン選手やジャマイカのフレイザープライス選手などは、身長は日本選手と変わらないか低いくらいですが、身体の厚みが全然違います。背筋や殿筋、ハムストリングスなど鍛え上げられています。これだけの筋量を身に付けるためには、ウェイトトレーニングによる体づくりに注力していなければ難しいと感じます。

 このような現象が起こる背景には、日本女子選手はフィジカルでは海外選手に劣るから、体力ではなく、技術で対抗しようという考えが根底にあるのではないかと考えています。いわゆる、柔よく剛を制すといった具合です。

 柔よく剛を制すを否定するつもりは全くありませんが、スポーツで言うならこれがあてはまりやすい種目とそうでない種目あるように思えます。

 例えば、球技等なら、体格で劣る部分を、戦術やチームワークで補い勝利する。武道等でも、巧みな技で、力をいなして相手を倒す。は良くある話です。

 しかし、100m走においてはどうかというと、技術で補うということは極めて難しい種目の1つだと思っています。

 というより、短距離走においては、体力的な要素が優れていないと、そもそも高度な技能が身に付かないと言えるでしょう。

 よって、スプリントドリルや接地等に拘り、技術を磨くことも重要ですが、それと同等か、それ以上にフィジカルを向上させることに目を向けて欲しいです。

 加えて、女子の場合は、男子よりも身体が完成する時期が早いです。最も身体が成長しやすい、中学・高校段階で積極的にウェイトトレーニングによる体づくりを行う必要があるのではないでしょうか。男子よりも筋を発達させにくい女子だからこそ伸ばしやすい時期を逃してはいけない気がするのです。(もちろん、陸上に人生を賭けたい、実業団等で競技を続け、将来はオリンピックに出場したいくらいの気概のある選手は、です。)

 また、高校時代に活躍しても、それ以降、怪我で伸び悩むこともよくあります。トレーニングを正しく継続して、体をつくっていけば、怪我もしにくくなります。

 以上が私見ではありますが、現状の日本女子短距離の印象になります。今後の日本女子短距離が、男子同様に世界で活躍する姿を楽しみにしております。

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