速く走るシリーズ、今回は、接地について。
短距離走においての接地とは、文字通り、地面に足が着いた瞬間のことをいいます。
足が地面に着いている時にしか、地面に力を加えられないので、重要な局面であることに間違いはありません。
ただ、短距離走で地面に接地している時間は、約0.1秒であり、1秒間に5回近く接地が起こっています。
このように、極めて、一瞬の出来事である接地を、意識して変えられるか?と言われると、個人的には、難しいと考えています。
接地について考えながら走るというのは、一流レベルのスプリンターなら可能かもしれません。しかし、多くの選手にとっては、意識してどうこうするのは、かえってマイナスになることもありえます。
ただ、良い接地のイメージを持つことは、有効かもしれないので、その方法について述べていきます。
よく言われているのが、体の真下に接地するというものがあります。前に着いてしまうと、ブレーキになるからです。
これに関しては、半分正解で、半分間違ってると考えています。
まず、走っていて体の真下に接地することは、通常ありません。もし、真下に着いたら、前に転んでしまいます。
ブレーキをかけるというと良くないイメージがありますが、走るという動作は、体の少し前に接地し、ブレーキをかけ、再び加速するということが高速で行われています。詳しくはこちら。
適切にブレーキをかけることは必要であり、速い人ほど、強いブレーキから、高い加速を産み出しています。
ただ、ブレーキが過剰になり、よくない接地になることも起こりえると考えています。
通常、どう接地するかなどは、意識する必要はなく、自分の中で良い走りが出来ているときは、良い接地をしています。
しかし、レース中に隣を意識して、過剰に力が入ってしまったり、前に進みたいという気持ちが出過ぎてしまった時などは、接地位置が通常より前になり、ブレーキが強くなることはありえます。
よって、レース経験や普段のスプリント練習を積み重ねることで、自分の身体ができる、最も自然な動きをいつでもできるようにしましょう。余計な力みが入ることで、接地に乱れが生じます。
接地を改善するというより、走るという動作を試行錯誤し、改善する中で、結果として、良い接地になります。アシステッド走は、スピードが自然に出るため、余計な動作を加えないための練習としてよいかもしれません。
また、走り以外の練習では、腿上げを行いましょう。その際は、上がった足を自然に真下に落とすイメージで行います。実際には、真下ではないかと思いますが、イメージづくりとしてよい練習になるでしょう。
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