ブリッジングとは、聞いた話や得た情報、周りで起こっている問題について、自分事に置き換えて考える力のことです。当事者意識ともいいます。
日ごろから、ブリッジングして考えることができる人は、たとえ問題が発生しても、主体的に解決することができます。また、事前に問題を回避するための行動を選択します。「〇〇が言っていたから~、みんなそうやっているから~」という基準で行動するのではなく、自分ならこうするという軸があり、自分の頭で考え、自己決定する力が高いと言えます。
具体的に、ブリッジングができる人とそうでない人の思考や行動の例を挙げてみます。
シーン➀「保健の授業で、健康について学んだ時」
先生「近年では、生活習慣病が急増していて、特にガンにより命を落とす人が多いです。2人に1人はガンに罹患してしまうそうです。生活習慣病の原因は、乱れた生活習慣の積み重ねです。特に食生活の乱れが深刻です。自分の生活を振り返り、生涯、健康でいるために今からどんなことができるか考えてみましょう。」
この問題をブリッジングして考えられる人の思考
「2人に1人ガンになってしまうなんて、とても他人ごととは思えないな。確かに今は病気ではないけど、気をつけないと、いずれ自分もそうなってしまいそうだ。最近の食生活を思い出すと、先週の日曜は友達とマックいったし、最近ちょっとお菓子も食べすぎかもしれないからひかえよう。あと日本食が体に良いみたいだから、お母さんに言って、和食中心にしてもらおう。」
ブリッジングしていない人の思考
「2人に1人がガンか~怖いな~。で、先生、ここテスト出ますか~? やっと授業終わったわ~。ちょっと、菓子パンとコーラ買ってくる!」
シーン②「記録が伸び悩み、指導者に相談にした時の会話から」
「最近、全然記録が伸びないんです。練習はしているのですが、原因がわかりません。どうしたらよいのでしょうか?」
指導者「練習はしているのに記録が伸びないか。もしかしたら練習の質に問題があるかもしれないな。大学時代の話だけど、記録が伸びない人の多くは、遊びに夢中になって、生活面がよくなかったな。目標もあいまいになり、練習に身が入らないと、記録を出すのは難しいよ。」
この問題をブリッジングして考えられる人の思考
「言われてみれば、最近練習に身が入っていなかったかもしれない。夜遅くまで、友達とSNSしてて、睡眠時間も短くなっているし。よし、もう1度、目標設定とルーティン行動を見直してみよう。きっと、良くない習慣ができてしまっているはずだ。日誌も書けてなかったから、今日から始めるぞ。スマホは21時には電源を落とそう。」
ブリッジングしていない人の思考
「そうですか~遊んでたら無理ですよね~(そうじゃなくて、なんかすぐ記録出るドリルとか教えて欲しいんだけどなあ)…(LINEを開いて)なになに?今日、夜みんなでボーリング行くって?(明後日試合だけど)いくいく!どこ集合?」
かなり大げさな事例ではありますが、ありがちだと思います。よい話を聞いても、よい話だったな~で終えるのではなく、ブリッジングする。シーン②で言うなら、もしかしたら自分がそうなっているのでは?とメタ認知し、ブリッジングする。日々、起こる様々な問題を自分なりにブリッジングし、考えていきましょう。
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