コーチが、対象者への運動のフィードバックをする際、大きく2種類の方法があります。
Knowledge of result(KR:結果の知識)とKnowledge of performance(KP::動作の手際の知識)です。
KRは、今の動作は、よかったのか悪かったのかを伝えるフィードバックの方法です。
KRが効果的な場面において、体育の授業などで用いられる個別評定というものがあります。
例えば、リレーのバトンパスにおいて、指導者が試技に対して、点数をつけたり、AやB、Cなどと評定を出します。
70点と言われた場合、足りなかった30点は何なのかと、指導対象は考えます。もしかしたら少し早く走り始めたのかもしれない、バトンの渡し方が良くなかったのかもしれないと主体的に考え、改善を試みようとします。
同じ例で、KPでフィードバックをするなら、例えば、「バトンを渡す時、手の位置が下がっていた。」など、動作の具体的な姿を伝えます。
KRとKPのどちらが正解というものはなく、必要な状況に分けて使う必要があると考えていますが、基本は、Knowledge of result(KR:結果の知識)が有効な場面が多いと言えます。
どこまでいっても、運動を行っている本人の感覚をコーチが完全に理解することはできません。
つまり、最終的には、本人が理想の動作を探索し、答えを出すしかないのです。
コーチから、このように見えたという結果の知識を得て、そこからどうするのかを考え、試行錯誤する。この過程は、スポーツのスキルを向上させるために必ず必要な階段だと言えるでしょう。
ただ、目指すべき方向性がわからない初心者であったり、時間が限られる中で結果を残さなければならない状況なら、KPのよる具体的なフィードバックが必要です。
例えば、試合当日のバトンパスにおいては、練習を見て、足長をどうするのかを具体的に教示するのは一般的でしょう。今のは80点です。と、試合当日に言われも困惑してしまいます。
また、KRによるフィードバックをする場合は、よい結果を伝えるのが効果的です。コーチは、「今の良かった。」などのフィードバックを積極的に出していきましょう。
加えて、対象者の動画とお手本の動画を見せがらのフィードバックはさらに効果を高めるので、動画を撮っておくことも重要です。
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