クーリング

スポーツ科学

 まだ、6月なのですが、35℃越えの日が続いております。梅雨はどこに行ったのかという暑さです。暑くなるこの時期に注意したいのが熱中症です。下のグラフを見ると、熱中症が起こりやすいのは、夏本番の8・9月頃よりも、梅雨明けの7月頃のようです。

 暑さにまだ慣れていないこの頃は、熱中症に注意したいです。(マスクは危険です。)暑さに慣れることを暑熱順化といいます。暑熱順化には、個人差はありますが、1週間~2週間はかかると見ておきましょう。

 自身の競技者時代を振り返っても、おそらく2度ほど熱中症のような症状に見舞われた経験があります。救急搬送されるような重症ではありませんが、共通しているのが、6月でした。急な気温上昇に、湿度が高いということもあったはずです。しかも、練習後に高熱が出て、次に日の試合を棄権する羽目になりました。割と短時間で、平熱には戻ったため、風邪やインフルエンザのようなものではないと思っています。6月・7月と重要な試合がある場合もあるので、こまめな水分補給や冷房使用など、コンディションへの意識を高めていきましょう。

 高体温と競技パフォーマンスについての話も自身の経験もふまえ少ししていきます。まず、下の競技別気温とパフォーマンスの変化のグラフを見てください。

 この研究から、距離 (競技時間)が長いほど高温の影響を受けやすいということがわかります。陸上競技で言うと長距離選手は特に、暑さ対策が重要になってきます。夏のインターハイや全中陸上、夏の甲子園や夏季オリンピックなど高体温は様々な場面で発生しうるため、暑熱対策を考える必要があります。

ガイドブック等も公開されているので、勉強してみるのもよいでしょう。競技者のための暑熱対策ガイドブック

 暑熱対策には、大きく分けて、水分補給、クーリング、暑熱順化などがあげられますが、今回はクーリングについて述べていきます。

 クーリングとは、文字通り、身体を冷やすということです。深部体温の上昇はパフォーマンスを低下させるため、どうにかして体温を下げようという工夫です。具体的には以下にようなものがあります。

 中高の部活動では、クライオセラピーなどは実用的ではないため、自身の環境に合わせ試していくとよいと思います。長距離選手の場合は、運動前に冷やしておくと、パーフォンマスの向上に繋がったという研究もあるそうです。逆に筋力トレーニングの後に冷やしすぎると、トレーニング効果が下がるという研究もあるため、種目や目的によってクーリングの必要性は変わっていきます。

 ちなみに、私の場合は短距離のため、暑熱によるパフォーマンス発揮の影響は少ないということになります。しかし、予選・準決・決勝が1日にある場合などは、ラウンド間にクーリングを行っていました。具体的には、シャワーで冷水を5分ほど浴びる、氷嚢でアイスマッサージです。これらでは中々深部体温を下げるまでは難しいそうですが、感覚としては有効な気がします。参考にしてみてください。

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