速く走る方法シリーズ、今回は、ももが上がらないことについて。
前回、もも上げ動作について解説しました。
もも上げの高さや速さは、走速度とは、関係がないというデータがあります。また、体の真下から前へのももの動きでは、股関節屈筋群(腸腰筋等)ではなく、股関節伸筋群(ハムストリングス等)が働いていることがわかっています。
つまり、ももを高くあげようとする必要はないという結論になりました。
ただ、走りを見ていて、ももが上がっていないように見える選手はいますし、ももが上がらないことが悩みという選手もいるようです。
もも上げの高さと走速度には関係はないとありましたが、何らかの要因で、自然とももが上がってこないと、パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。いくつか、ももが上がらない要因についてあげてみます。
➀足が流れる⇒殿筋群を中心とした、股関節全体を使ったキックができず、膝や足首の曲げ伸ばしを必要以上に使ってしまう。その結果、足を前に持ってくるリカバリーのタイミングが遅れ、ももが上がり切る前に、次の着地動作に入ってしまう。走っている時の感覚としては、足が前に出てこず、後ろで回転しているイメージ。
②骨盤の回旋ができていない⇒骨盤の回旋動作がない走りは、ももが上がっていないように見える。恐らく、体幹部が使えず、手足しか動いていないため、動きが小さくなることが原因だと考えられる。
③ヒップロックができていない⇒腰が落ちてしまうので、ももが上がりにくくなる。
④股関節屈筋群の弱化⇒シンプルに股関節を曲げる、腸腰筋などが弱ければ、ももを上げる力が出にくくなる。運動不足のお父さんが、運動会で走って転んでしまう原因の1つだと考えられる。
他にもあるかもしれませんが、走りの技能的な側面と身体的な側面の両方からのアプローチが必要になります。各記事に具体的な改善法や練習法を載せてあるので、参考にしてみてください。
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