大志を抱く

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 「少年よ、大志を抱け。」という有名な言葉がありますが、今回は、何かを志すということについて。

 その前に、人間の脳のしくみを理解しましょう。

 実は、人間の脳は自分が見たいと思ったものしか見ないという機能があるそうです。

 どういうことかと言うと、例えば、「あなたのスマホの上から3番目には何のアプリがあるかわかりますか。」または、「いつも使っている腕時計の短針の絵を紙に書いてみてください。」と言われたらできますか?

 恐らく、できない人がほとんどかと思います。本来は毎日見ているはずのものなのに、わからないのです。

 つまり、人は、意識して見ようとしないと、目の前にあっても、永遠に見ることができないということになります。

 これを、志に当てはめて考えます。意識して、志や思いを持つことで、自分が目指す道が見えるようになってくるのです。

 そして、志とは、言い換えると、目的・目標の4観点なのです。4観点を描き続けることで、思考が変わり、行動が変わり、未来が変わるということになります。脳は、4観点の未来を描けば、勝手に近づいていくという機能があります。逆に言うと、4観点が描かれていなければ、自分の思いが見えてこないのです。ゴールイメージがなければどこに進んでいいかわかりません。

 さて、現在メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手は、高校1年の時に、「ドラフト8球団1位指名」という目標を立てていました。もともと才能のある選手なのは間違いありませんが、高校1年の段階では、まだ甲子園にも出場していません。しかし、はるかに難しいと思われる目標を立て、未来を描いていたのです。そして、大谷選手のすごいところは、本気で自分はできると思って、目標を立てています。意識の領域を越えて、無意識、潜在的にそう思っているのです。

 実は、人は意識し、思考、できることは、脳全体の1%から3%ほどだと言われています。つまり、90%以上の思考や行動は無意識に行われているのです。夜寝る前にはみがきをするなどは、いちいち考えたりせず、無意識に行われますよね。その無意識によって、人生のほとんどが決まっているということになります。

 大谷選手の脳は、無意識のレベルで、「ドラフト8球団1位指名」ができると思っているので、実際にそれ以上のことをやってのけたと言えます。しかし、多くの人は、志があったとしても、無意識にそれができると思っていないのです。「自分にはできない」と思い込んでしまっているので、できないという現実になります。それには、様々原因が考えられますが、多くは教育だと思います。教育の中で成功経験を積み、無意識・潜在的に「自分はできる」という自信(自己効力感)を脳にインプットしていかなければなりません。

 では、具体的にどうすればよいかと言うと、日誌を書くということになります。今日の重要な仕事と行動をイメージする。そして、1日の終わりには、今日の良かったこと・できたことを書きだします。意識の中で「できた」を積み重ねることで、徐々に無意識に「できた」が移行していきます。自分はできるという自己効力感を育てていくのです。

 クラーク博士の「少年よ、大志を抱け。」には、続きがあります。

「お金のためではなく、私欲のためでもなく、名声と言う名の空虚な志のためではない。人はどうあるべきか、その道を成し遂げるために、大志を抱け。」

 自己実現を果たし、社会や他者に貢献をする。人間の幸福の全てがここにあるのかもしれません。

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