トレーニング効果の転移

スポーツ科学

 今回はウエイトトレーニングについて。以前にも紹介しているのでこちらもどうぞ⇒体づくり~ウエイトトレーニングの重要性について~ 体づくり~ウエイトトレーニングの重要性について②~

 本ブログでは、ウエイトトレーニングによる体づくりの重要性を述べています。継続してウエイトトレーニングに取り組んでほしいのですが、その上で知っておくべきトレーニング効果の転移について述べていきます。

 あるコンピューターシュミレーションによる研究です。垂直跳びを40cm跳ぶ人がいると仮定します。そして、垂直跳びに使われる筋肉群の筋力を20%アップさせます。

 筋力が20%アップしているわけだから、垂直跳びの記録も伸びることが予想できますが、跳んだ結果は、38cmとマイナス2cmとなりました。

 筋力が向上したのに、記録が下がってしまい、ウエイトトレーニングはダメなのか?と思われる結果となりました。

 しかし、その後のシュミレーションで、筋力が20%アップした状態で、垂直跳びを反復練習させ、垂直跳びの技能を向上させます。

 その結果、記録が48cmとプラス8cmになりました。

 もちろんコンピューターによるシュミレーションのため、人間に全てが当てはまるとは言えません。しかし、ウエイトトレーニングにより筋力が向上しただけでは、競技パフォーマンスは向上しない可能性があることがわかります。それどころか、筋力が向上した結果、記録が下がるということも起こりうるということです。

 つまり競技力を向上させるのは、

ウエイトトレーニングによる筋力向上+新たな体力を使いこなす練習

 が必要になるわけです。これをトレーニング効果の転移といいます。競技の練習をすることなんて当たり前ではあります。しかし、重要なことは、ウエイトトレーニングで筋力を向上させ、どのような技術を身に付けるのか、日々考え、工夫することです。

 また、このトレーニングの転移にどのくらいの時間がかかるのかというのは、人それぞれの競技レベルによってことなると考えられます。高校時代、冬季練習でウエイトトレーニングを積極的に行い、筋力が向上し、4㌔体重が増えました。その時は4月までは、自己ベストは出ず、5月に一気に記録が伸びました。1つの例に過ぎませんが、少なくとも転移には数か月はかかると考えてよいと思います。競技力が高くなればなるほど、転移に時間がかかることが予想されます。

 まとめとしては、すぐに結果が出なくても、ウエイトトレーニング継続するべきだと考えます。ウエイトトレーニングによる体づくりと競技練習のバランスをとり、競技力を向上させていきましょう。

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