ピグマリオン効果は、アメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタールによって提唱された概念で、期待が実際の結果に影響を与える心理学の現象です。この効果は、他者がある個人に対して高い期待を抱くと、その個人もそれに応じてその期待に応える傾向があるとされています。指導者・リーダーは、ピグマリオン効果を意識して指導をするべきです。激励に近いかもしれませんが、「あなたに期待している」ということを言葉や文字を通じて伝え続けていきたいです。
ただ、指導者・リーダーも人間です。指導対象者全員に同じように、情熱を持って期待するべきではありますが、期待したくなる人というのは存在します。陸上競技で言うと、陸上の才能があるというのも1つの要素ではあると思いますが、それだけではありません。以下に期待したくなる選手や生徒の特長をあげてみます。
➀挨拶・返事ができる
②時間を守って行動できる
③掃除・整理整頓を進んで行う
④謙虚である
⑤感謝ができる
⑥真剣に取り組んでいる
⑦目を見て話が聞ける
これらを、指導される力といいます。この選手、生徒を伸ばしたいと期待させるような人格や人間性を身に付けるためには、心のコップを上向きにする必要があります。
ピグマリオン効果とは逆に、ゴーレム効果という現象も存在します。ゴーレム効果は、低い期待が実際のパフォーマンスに悪影響を与えるという考え方を指します。よく問題になるパワハラ系の指導者は、選手に暴言を吐いたり、皮肉を言ったりします。その結果、選手は自信やモチベーションを失い、自分へも低い期待をするようになるのです。
指導者は、自らの指導力を伸ばし、期待を裏切られても期待し続ける器を持った人間を目指します。そして、指導対象者は、期待したくなるような人間になる。結果を出し、成功する組織は、このように人間力が土台になっていることは間違いありません。
そして、ピグマリオン効果を最大限高めるために大切なことは、
自分に期待をしている。
つまり、自分自身が満たされているから、他者にも大きな期待を寄せることができるのです。特に、指導者や教育者、リーダーと呼ばれる人は、自己効力感を高めていく必要があるのです。
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