中学校や高校では、夏休みなどの長期休暇において、合宿を行う学校も多いのではないでしょうか。今回は、陸上競技における合宿のメリット・デメリットについて考えていきます。
まず、合宿の最大のメリットは、チームが仲良くなる機会をつくれることだと思います。成功の循環でも述べたように、チームの関係性を深めることは、競技力にも繋がります。陸上競技の練習に加え、生活を共にすることで、自然とリレーションが高まります。また、合宿中に意図的にレクなどを組み入れることも効果的です。例えば、夏なら、花火をしたりスイカ割をしたりします。部員に企画させてもよいでしょう。陸上の練習とは一見関係ないように見えますが、チーム作りには大切な要素だと感じています。もちろん、はめをはずしすぎてはいけません。最低限のルールとマナーを共有しておくことは大前提にはなります。
次に、指導者目線でいうと、生活面の指導ができるという点です。競技パフォーマンスに、生活面は大きく関係してきます。私生活が乱れているとどれだけ練習しても結果を出すことは難しいです。合宿という共同生活を通じて、挨拶や時間を守ること、ものの整理整頓、生活リズムを整えるなどのライフスキルを高める工夫ができます。普段の学校生活では指導しきれない部分まで合宿をすると見えてきます。
他校の選手との強化合宿の場合は、交友関係会が広がり、情報の交換もできます。また、自分の専門種目の先生が自校にいない場合は、他校の先生に質問するチャンスです。私も高校時代に、よく一緒に合宿をしていた学校の先生に色々聞いたりしていました。
逆にデメリットとしては、過剰な負荷がかかる可能性があることです。単純に練習時間が長くなるため、普段の練習より量という面では増えることがほとんどです。基本的に、陸上競技はやればやるほど上達するという類のスポーツではありません。練習効率という面では、合宿という形が適していないと考えられます。また、オーバーワークによる過労や怪我といったリスクも考慮に入れ、練習メニューを考案する必要がありそうです。特に、合宿後半は疲労により集中力が低下したり、気が緩んで怪我ということも起こりがちなので注意しましょう。
メリットにもあった生活面の向上が逆にデメリットになる。やはり合宿となると中高生はテンションがあがります。いわゆるはめを外し過ぎてしまうと、夜更かししたり、ルールを守れなかったりすることも起こりえます。これには事前指導が必須でしょう。合宿の目的は何なのか、しっかりと趣意を説明する。そして、基本的なルールは共有しておきましょう。
以上のように合宿にはメリット・デメリットがありますが、指導者の指導力やチームの意識によっては、メリットが上回ると考えています。事前準備を怠らず、合宿をチームのレベルアップの機会にしてほしいと思います。
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