3S活動

チームづくり

 3S活動とは、整理・整頓・掃除のことです。ボトムアップ理論を提唱する、畑喜美夫先生が、教育現場で実践されている活動です。畑先生以外にも、結果を出している教育実践家や経営者がほぼ例外なく大切にしています。今回は、整理・整頓・掃除がなぜ大切なのか考えていきます。

 まず、場をきれいにするということは、心をきれいにすることに繋がっているということです。心づくり~成長の三原則~にもある、心のコップを上向きにするために整理・整頓・掃除を行うのです。心がきれいな人は、素直に人の話に耳を傾け、多くのことを学んでいけます。大リーグで活躍する大谷翔平選手や菊池雄星選手を輩出した、花巻東高校もトイレ掃除に力を入れています。

 逆に、結果が出ない組織や個人は、場が乱れています。例えば荒れている学校は、靴箱の靴が乱雑で、教室にもたくさんゴミが落ちています。心も汚れているので、ネガティブで被害者意識になりがちです。さらに悪いと、他人をいじめたり攻撃したりします。

 また、整理・整頓・掃除には、小さなことにも気づく力を高める効果も期待できます。陸上競技は0.01秒、1cmで勝負が決まるスポーツであり、小さな差が大きいのです。日々の練習での小さな気づきが記録を伸ばせる人とそうでない人とを分けています。落ちているゴミに気がついて、捨てられる人や整理・整頓がきちんとできる人は総じて視野が広く、よく気がつく傾向があるのではないでしょうか。

 また、ハインリッヒの法則によると、1つの重大な事故が起こる背景には、29の軽微な事故、300のヒアリハットが存在しています。日々のヒアリハットに気がつき、対処を怠らなければ、大きな事故にはならないのです。小さなことに気がつく力がどれだけ大切なのかがわかります。

 最後に、この3S活動において最も大切なことは、リーダーが率先垂範するということです。組織を変えようとする前に、自分が変わり、自ら整理・整頓・掃除を実践することです。すぐに結果が出るわけではありませんが、小さな積み重ねが大きな成果を生むのです。

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