足首の固定

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 スプリントにおいて、重要な技術の1つに足首の固定があります。少し古いデータになりますが、100m9秒8で走るカール・ルイスと日本人選手の、足首の動きを比較した画像になります。

 つまり、速い選手ほど、足首をあまり動かさず、固定して走っているといえます。特に、スピードに乗ってきた中間疾走以降に、足首を伸ばして走ってしまうと、走りに上下動が生まれ、効率の悪い動きになります。短距離を速く走る方法でも解説しましたが、左のような股関節を中心とした理想的なキックをするためには、足首は固めるくらいの意識が必要です。

 足首を固定する動きを身に付けるためには、足首を強いバネのようにするトレーニングが必要です。

 まず、プライオメトリクスを意識したトレーニングです。接地の際、足首がつぶれないように、短い接地時間でジャンプするようにします。初歩の段階では、ドロップジャンプやホップ、縄跳びなどがよいでしょう。レベルに合わせ、ハードルジャンプなどの負荷が高い種目を選択します。

 また、足底筋群が機能していることも、足首をバネのように使うために重要な要素です。必要に応じて、タオルギャザー等で強化します。

 次に、殿筋を中心に、ポステリアルチェーン筋群を鍛えることも必要だと考えています。足首を使わず、股関節中心のキックを実現するためには、身体の後面の筋群が機能することは不可欠だからです。足首と膝関節、股関節を連動して使う、トリプルエクステンションと足首の固定は矛盾しているのでは?と考える人もいるかもしれません。この場合は、ウェイトトレーニングと競技動作は別であり、足首の固定は、スプリント動作に特異的な技術としてとらえる必要があります。

 そして、スプリント練習の中で、足首の固定という技術を身に付けるためには、反復練習をすることになります。意識的に地面を蹴ろうとすると、どうしても足首を使いがちです。少しスピードを落として、力まずに、接地脚に乗り込んでいく、地面に足がついたら、出来るだけ速く脚を前に持ってくるなどのイメージを持つとよいかもしれません。中高時代には、よくふくらはぎをつったり、シンスプリントになることがありました。恐らく、必要以上に足首を使っていたのかもしれません。スプリントの技能が向上してくると、足首という末端にあまり意識がいかず、股関節などの中心部分を使っている感覚で走れるようになりました。

 足首の固定には、体づくりとスプリント技能向上の、両面からアプローチしていきましょう。

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