動機付け(モチベーション)

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 動機付け(motivation)は、個人が目標を達成するために行動する原動力や意欲のことを指します。人々はさまざまな動機づけ要因に基づいて行動します。内発的動機付けは、個人の内部から生まれる欲求や興味に基づいて行動する動機づけです。個人が活動そのものに喜びや満足感を感じ、自己成長や個人的な充実感を追求することが特徴です。一方、外発的動機付けは、外部からの報酬や認識に基づいて行動する動機づけです。例えば、金銭的な報酬、昇進や賞賛、社会的な地位の向上などが外発的な動機付けの要素となります。

 陸上競技に携わる中で、動機付けに関して、ずいぶん考え方が変化してきているなと感じています。具体的に言うと、外発的動機付けから内発的動機付けに、モチベーションの形が移行してきています。もちろん、動機付けを完全に分けて考えることはできないため、あくまで、傾向の話になります。

 競技者時代は、外発的動機付けが、陸上競技に取り組むモチベーションに占める割合が大きかったように思えます。中学校で初めて出た市内の競技会で優勝し、賞状をもらい、朝会で表彰してもらいました。その時、周りから注目されたり、1位をとれることにとても魅力を感じたのだと思います。その後は、より上の競技会を目指す中で、負けたり、失敗することも多くなります。ただ、それでも競技に没頭できたのは、根本には、結果を出して、称賛されたい、全国大会で活躍し、スポットライトを浴びてみたいという欲求がありました。それが、悪いことだとは思いませんし、周りから称賛されることは、自信につながることもあるでしょう。

 しかし、どうも、外発的動機付けが強すぎると、長期で見ると、バランスを崩す気がします。実は、大学卒業後も競技会に出ていたのですが、自己ベストを更新することができませんでした。自分では真剣に競技に取り組んできたつもりだったのですが、学生時代のようなモチベーションを保つことができていなかったように思えます。確かに、練習量が学生時代より少ないということも影響があるのかもしれません。しかし、動機付けの面で、なぜ陸上競技を続けているのかを見失ってきたというのが、最も大きかったと今は感じています。つまり、陸上競技を競技者として続けることに、喜びや満足感を感じられなくなったということになります。

 以上のような経験から、指導者となった今は、モチベーションを外発的と内発的、両方のバランスをとれるよう努めています。つまり、全国大会に出場させた指導者になるという外発的な動機付けと、競技結果云々以外で、自分が成長できたこと幸せを感じたことにフォーカスすることを両立するということです。

 現在指導に携わっているチームは、まだ未成熟であり、すぐに競技結果を出すことは難しいです。結果だけにこだわるとモチベーションは中々上がらないかもしれません。先日も大会の引率に行きましたが、出場した選手はわずか数名です。上の大会にも繋がりません。

 しかし、とても充実した1日を過ごすことができたと感じています。帰りに食べたアイスクリームがおいしかったからでしょう。笑

 いわゆる、Z世代(一般的に1997年から2012年ごろに生まれた世代を指します。この世代は、インターネットやデジタル技術の普及により成長し、スマートフォンやソーシャルメディアの利用が一般化した時期に生まれ育ちました。)は、内発的動機付けを重視すると言われているそうです。かつてのような競争を過剰に煽るような指導は受け付けません。時代に応じ、人々の動機付けは変化していくということは、指導者として意識していきたいです。

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