体幹を鍛える
強い体幹
ぶれない体幹
体幹トレーニングというワードはよく耳にします。恐らく陸上競技に限らず多くのスポーツで使われる共通言語といった印象があります。
あるプロスポーツ選手に関連する記事では、以下のような内容が書かれていました。
❝「脱ウエート」(中略)「体より技術」と方針転換。ウエートトレーニングよりも、体幹トレーニングなどに重きを置いている。「筋肉のトレーニングはやっていますから。ウエートをやっていないだけ。」❞
日本のプロスポーツ選手の記事だけあって非常に興味深いです。色々な考察(ツッコミ)ができます。
恐らくなのですが、この記事で言うような体幹トレーニングとは、以下のようなものだと推察しています。
体幹部のトレーニングということで、腕や脚の四肢を除く、腹筋や腹斜筋、背筋といった筋群をメインで使うのが目的なのでしょう。
そして、多くのスポーツ動作は脚や腕が直接に力を発揮していますが、中心部分である体幹部が弱い(力が抜けている)とうまく筋発揮できないというのはイメージできました。
確かに筋力が未発達な小学生や中学生は体幹がふらふらしている印象がありますし、体幹部に力を入れるのが苦手な選手もいるのでしょうから、そういった人には有効なトレーニングになりえます。
よって、バーベルなどを用いたウェイトトレーニングより体幹トレーニングが重要です。
とは、言い切れません。
まず、体幹トレーニングでは、ベースとなる筋力の向上は難しいです。筋肉量を増やすとなった場合はやはりどうしてもウェイトが必要ですし、股関節周辺の大きな筋を効率よく安全に鍛えるには、重量を用いた、デッドリフト、ランジ、スクワットなどのベーシックな種目に軍配があがります。
また、重量を持って正しいフォームでトレーニングを行う中で、体幹部の筋群にも刺激が入ります。また、MBスローやスレッド走などの負荷をかける練習でも体幹はよく使われていると思われます。
よって、結論としては、体幹トレーニングは必要に応じて、補助としての種目にはなりえるが、それをやりこんでも競技パフォーマンスが直接向上するわけではない。となります。
最後に余談ですが、以前、大学の同期のオリンピック選手が動画で体幹トレーニングのやり方を紹介していました。フォームや腹筋に意識的に力を入れることなど、なるほどとさすがに勉強になる内容ではありました。ただ、しっかりとフォームを意識できていないと効果は薄いでしょうし、「オリンピック選手の強さの秘訣は体幹トレーニングだ」と誤解しないようにしましょう。
強さの秘訣は、大学入学からオリンピックに出場するまでの長期の目標設定能力。課題を見つけ解決していく問題解決能力と継続力。股関節周辺を中心に年々増加する筋量。そして、走りの練習では、吐くほど追い込める精神力。などです。
コメント