もしもう1度やりなおすなら~大学編㉓~

もしもう1度やりなおせるなら

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 100mの予選は、3着と記録上位者が準決勝に進むます。スタートリストを見ると、10秒2~4の自己記録を持つ選手が3名いて、これまでの実績を見ると格上と言えます。というより、私の自己記録は10秒56といことでランキングで見ると、下から数えた方が早いです。いくら追い風参考では4台を出し、好調といえど3着に入るのは簡単ではないと考えていました。決勝進出を目標にした場合、予選をどう走るかは重要なのですが、気持ちの余裕は少しもなかったと記憶しています。まずはとにかく準決勝へ。そこだけを考え走りました。

 結果は、10秒36(+1.9)2着で予選通過。

 0.2秒の大幅自己ベスト更新。予選を終え、全体2位の記録を出すことができました。走りとしては、追い風のアシストもあったためか、足がついてこなくなるような感覚がありました。下り坂を走るように体が前に進んでいく、足が頑張ってついてくるようなイメージです。スタートから中盤への切り替えもスムースでした。

 ただ、ゴール直後は気持ちが高揚していましたが、すぐに切り替え、準決勝に気持ちを向けました。というのも、50m付近でハムストリングスに小さな違和感を感じていました。走れないような痛みではないのですが、高負荷が筋にかかったのもあり、何か嫌な感じがしていました。

 しかし、ここまで来て、足の状態を気にしている場合ではありません。次はいよいよ準決勝。日本インカレ決勝という、4年間の大きな目標を達成するためにも、走り切るしかありません。

 2着+2で決勝が決まります。準決勝のスタートリストを見ると、格上と言える選手が2名。1名は同学年で同じ埼玉のインターハイチャンピオンです。中学・高校と雲の上の存在でしたが、越えていかなければなりません。この時間からは向かい風が強くなり、組によってはタイムに大きく影響しています。プラスで拾われることは考えず、とにかく着順で通過したい。決勝進出を目指し、準決勝の走り。

 結果は、10秒64(−1.9)2着で決勝進出。

 強い向かい風や競り合ったため、かなり力んで後半はバラバラになりましたが、2着をもぎ取りました。足に違和感があり、地面を蹴ることができなかったため、上半身を使って足に乗り込んでいくような走りになりました。

 しかし、ここまでくると、技術云々ではなく、決勝にいきたいという気持ちだけで走ったのだと思います。2着と電光掲示板に出た時は、恐らく人生で初めてレース後にガッツポーズをしていました。

 初日を終え、アイシングなどの処置を行い、帰宅しました。この日は、9月でしたが、真夏なみの暑さで、寝付けなかったことを覚えています。明日の決勝に関しては、もうどう走るか考えることもできませんでした。正直に言うと、この時点で心身ともに出し切っていました。(続く)

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