短距離を速く走る方法~理論編~②

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前回の続きです。なぜ速い人は、地面に足が着いた後、膝が曲がりながらキックしていくのか?下の図を見てください。

 短距離走では、身体の18~24%前への接地をするそうです。よく身体の真下に足を着くようにと言われることがありますが、正確に言うと、真下だと前に転倒します。過度に前に接地し、ブレーキを大きくすることはいけませんが、走る上でブレーキをかけることも必要です。地面に足が着いた後は、衝撃で膝は少し曲がります。その後、およそ0.02秒、赤線のポイントまでは前に進む力を出すことができます。赤線の後、図では離地距離の部分は、力感は高まるが出力は高くありません。つまりキックの後半は力をいれているような気がするけど、前に進む力はあまり出ていないということになります。地面に足が着いている時間は、競技レベルにもよりますが、約0.08秒と言われています。さらにそのうち前に進む力を出せるのは、たったの0.02秒です。頭で意識してどうこうできる時間はないでしょう。そして、

速く走れない人は地面に力を加えようとする傾向がある

キックの後半0.06秒は力を加えようとしても、前には進めません。速く走れない人は、それでも力を出そうとするため、曲がった膝を伸ばして前に進もうとするということになります。逆に走る技能が高い人は赤い線を越えたら、力を出すことをやめ、足を前に持ってくる動きに入ります。そのため、キック後半曲がった膝が伸びることが少ないのです。必要なポイントで力を加えた後はそのまま放置するというイメージでしょう。下の図でいうと、速い人は左側になります。

 右側のようなキックをすると速く走れない理由としては、身体の後方で足の回転が起こるため、前に持ってくるのに時間がかかります。いわゆる「足が流れる」という状態です。また、図で見てもわかるように、前に進みたいのに、上には跳ねてしまいます。上下動の大きな走りは、ピッチ(回転数)の低下を生むでしょう。しかも、足が流れる走りは、ハムストリングスにも負担がかかるため、肉離れなどの怪我のリスクも高まることが考えられます。

ハムストリングスについてはコチラです。

 以上が理論的な部分の1つになります。理想的な走技術を身に付けるためには、走練習に加え、体づくり(フィジィカルの強化)が必須になります。今後実践編ということで具体的なトレーニング方法を紹介していきます。

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