当日の行動予定表①

 今回は試合当日の必須アイテム、当日の行動予定表を紹介します。当日の行動予定表は文字通り、試合の日のタイムスケジュールやウォーミングアップのメニュー、ポイントとなる行動などを事前に書き込むシートです。試合当日に想定外のことが起きて、あたふたしないためにも綿密に計画を立てる必要があります。

 陸上競技は、準備8割本番2割と言われるスポーツです。球技などと異なり、特別な戦術や相手に応じた作戦があるわけではありません。よってどれだけ準備をして、心身が良いコンディションを保ちスタートラインに立てるかで勝敗が決まります。1週間前には結果がほとんど決まっているといっても過言ではありません。目的・目標を設定し、ルーティン行動を継続し、日誌でふりかえる。普段の地道な積み重さねが結果・成果となります。

 しかし、そんな陸上競技ですが、当日の準備を怠っていいわけではありません。力のある選手が失敗するケース、逆に思わぬ選手が勝つことも実際にあるのです。原田先生がかつて指導した大阪の松虫中の選手は、どの学校の選手より、試合時の荷物が大きいそうです。当日予想される問題点を予測し、準備する。たとえ降水確率10%であっても雨具が準備されているのです。

 2005年、400mH日本代表の為末大さんが2度目の銅メダルを獲得したヘルシンキ世界陸上の話です。その大会で為末さんは、全体の8番で決勝に進出します。ぎりぎりの通過のため決勝は「良くて5位・6位」と思っていたそうです。しかし、大会当日、急に嵐がきて、競技が中断になりました。あたりは、中止か延期かと動揺が広がっている中、為末さんは以下のように考えていたそうです。

 ”僕は、自分なりのかんで「決勝種目は延期にならないだろう」と思った。世界中にテレビの放映もしている。そして、確証はなかったけど、いきなり「今からやります」という展開にはならないだろうと思った。少なくとも、レースまで1時間半はとるだろう。「だったら、要らんことはしない方がいい」と判断して、僕はただジッとしていた。確か決勝にパナマの選手がいたと思うのだけれど、彼はすごく不安そうにしていた。僕は、「大丈夫だよ、力を出し切れば」とか言いながら、内心「こいつは終わったな」と思っていた。” 為末大著「ダイ・ストーリー」より引用

 周りがあたふたする中、嵐の状況でも心身の準備を整えます。その後決行された決勝で、為末さんは見事に8位通過から3位銅メダルを獲得したのです。

 このように想定外のことが起こると人は不安に陥ります。逆に、予測準備で全ては想定内という状態をつくって本番に臨めれば、自信を持って力を出し切れるのです。次回は、当日の行動予定表の詳しい書き方を紹介します。

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