もしもう1度やりなおすなら~大学編⑬~

もしもう1度やりなおせるなら

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 最悪のスタートになってしまった3年シーズンとなりましたが、試合は待ってくれません。序盤の最大の山場は5月の関東インカレになります。去年のリベンジを果たしたいところですが、まずは選手に選ばれなければなりません。A標準記録を突破できれば、1つの大学からは最大3人出場できますが、現状はB標準にとどまっています。チームメイトも100mでのA標準突破はいません。ただ、B標準突破者はいるため、チーム内の争いに負ければ、関東インカレ100m出場はできないのです。私がA標準記録を突破すればよい話なのですが、11秒スタートではあまりに遠いです。そんな焦りの中、練習をこなしていきましたが、4月最初の記録会も、11秒かかってしまいます。

 その頃の日誌には、練習メニューくらいしか書かれておらず、相当迷走していることが伺えます。笑 あまりに状態が悪いと考える気にもなれないということでしょうか。確かに考えすぎて、体が動かなくなることも往々にして起こります。この時どうすればよかったのか、一概に答えを出すことはできません。ただ、1つ確実なのは、シーズンの入ってからジタバタしても、遅いです。大切なのは、長期の目標設定を前のシーズン終了時に行うことです。来シーズンの目標を明確にイメージして、期日目標を決め、段階的にクリアしていく。日誌で日々のふりかえりを行い、軌道修正も適宜行うことも必須です。この時の私も含め、ほとんどの人ができていないことです。ただ、知っていれば、誰でもできることでもあるのです。

 さて、4月下旬は4大学対抗です。この日は、雨天で低温という最悪のコンデションでしたが、10秒93で2位。他大学の選手も相当走れていないようで、この順位でしたが、実はこの試合はあまり重要ではありません。というのも関東インカレの選考は、5月上旬にあります。この時点で100mのB標準記録を突破しているのが、私をふくめて2人でした。どちらかが、A標準を突破しない限り1人しか関東インカレには出られません。記録というのは、その日の天候や風に大きく影響を受けるため運の要素も強いです。よって確実に関東インカレを目指すなら、もう1人のチームメイトに直接対決で勝つ必要があるのです。そして、そのチームメイトは、何か足に不安があるのか、4大学対抗は不出場でした。(今思えば本当に足に不安があったのか疑問ではあります。)この時点で私の方が有利だと思っていました。ただ、選考前最後の記録会が5月上旬の行われ、チームメイトは私と同じ組で100mに出場します。実はこのレースが関東インカレの選考を賭けたレースだったのです。そして、このレースに私は敗北し、関東インカレの100mに出場することは叶いませんでした。

 この結果は、準備不足につきます。そもそもA標準を突破できないことも問題なのですが、チーム内での競争ということに意識がいっていませんでした。去年の実績を見れば、負けたチームメイトよりも私の方が上でした。自分の方が上だという油断がどこかにあったのです。恐らくチームメイトは5月最後の記録会に標準を定めて、虎視眈々と関東インカレ出場を狙っていたのではないかと思います。直前の4大学対抗も出場はできたはずですが、あえて無理をせず、次の記録会に賭けていたのです。つまり、気持ちの準備の面で、私はスタートラインに立った瞬間に負けていたのです。(続く)

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