先日、ハードル走を専門とする友人に、ハードル指導をお願いしました。対象は、ハードルを始めたばかりの中学生です。とてもシンプルで、わかりやすい指導内容だったので、ハードル走の初期の指導についてまとめます。これからハードルを始めようと思っている中学生・高校生や専門ではないから詳しい指導は難しいけど、最低限ポイントを押さえたい指導者の方には有効な内容かもしれません。
まず、始めたばかりですので、跳び方等は未熟です。上半身の使い方などもできていませんが、真っ先には手をつけませんでした。まず跳んでみてという感じです。もちろん時間があれば細かいこともやるのでしょうけど、最優先ではないようです。これに近い経験を思い出しました。保健体育の教員でもある私は、よく体育の授業などで、ハードルをまたいだりする練習を見ますが、実感として初心者にやらせるのはどうだろう?という疑問がありました。というのも、初心者に細かい動き方等を指導しても、あまり効果的ではないケースが多いです。だからまずは跳んでみよう。ということだと思っています。これを勝手に「bicycle理論」と名付けます。自転車に乗ったことがない人は、とにかく乗ってみなさい。こけたりしながら出来るようになってくるから。というものです。
次に、何度も言っていたこととして、ハードルがあっても自分が出せる最大のスピードを出しなさい。という指導がありました。指導対象の中学生は、100mのスピードは高いのですが、3歩で10台跳べていません。その原因として、持っているスピードを出し切れていないことにあります。よって、跳んで着地したらすぐ全力で走ることを意識する。着地した時に、体が後傾していたらいちいちブレーキがかかるから、走りだすかたちになっていることが大切です。
あとは、1台目まで(アプローチ)ですが、ここがとても難しいようです。1台目までにどれだけスピードを上げて、全速力で足を合わせて入っていけるか。何度も何度も練習を重ねる必要があるそうです。ハードル走は短距離走と違い、ハードル2台目くらいにレース全体のトップスピードが訪れます。(100mは50m付近でトップスピードがくる)つまり、アプローチの良しあしで、全体の70%は決まってしまうと言っていました。スタートから歩幅が広すぎても、1台目で詰まってしまい、減速します。かといって足を合わせにいって、スピードが高まっていなければ、これもタイムにはつながりません。
今回の指導を見ていて、やはり本質的な指導は専門に行っている人に任せる、聞くというのが一番だと思いました。当然ですが、引き出しがたくさんありました。そして、専門家も初期の段階では、何度も練習し、自分の感覚をつかんでいくことが大切だと言っていました。
コメント
bicycle理論いいね。しっかりきます!
案外見落としがちな視点ですよね!