たんぱく質は3大栄養素の1つで、筋肉・骨・血液・脳・臓器などの細胞を作る、ホルモン・酵素・神経伝達物質などの材料、そして、抗ストレス、免疫力にも関わっています。パフォーマンスを向上させるために必要な、強い身体の土台と言えます。私も、現役時は、1日に必要なたんぱく質の量(アスリートは1日に体重×2g必要と言われている。諸説ある。)を計算し、プロテインなどのサプリメントも摂取していました。結果的に筋量を増やすことはできたため、それも間違いではなかったとは思います。しかし、サプリメントなどの話の前に、中高生がまず知っておくべき、たんぱく質の摂り方について考えていきます。
まず、大切なことは、米(ごはん)は優秀なたんぱく源になるということです。もちろん、肉や魚、卵にも多くたんぱく質は含まれていますが、お米を2合食べると、鮭100gまたは豚ロース120gに匹敵するたんぱく質をとることができます。また、たんぱく質のレベルを示す、アミノ酸スコアは、パンや麺などの小麦が40に対し、お米は65という数値になっています(アミノ酸スコアは、100に近いほど、その食品が必要なアミノ酸をバランスよく含んでいることを示し、栄養価が高いとされます)。お米に雑穀や大豆を合わせることで、スコアは100に近づき、たんぱく質の質と量を高めることもできます。
次に、たんぱく質は量を増やすより、質と効率が大切になってきます。胃酸の分泌状態が関係するため、胃の状態が悪いと、たんぱく質(特に、肉などの動物性たんぱく質)は消化・吸収されにくいのです。以下のような場合は、胃腸力が低下している可能性があります。
①筋肉がつきにくい ②食べても太れない、ウェイトが上がらない ③貧血症状がある ④骨折しやすい、骨が弱い ⑤けいれんが起こりやすい ⑥便秘や下痢がある
そこでポイントとなるのが、お米+大豆をベースにおかずを組み合わせることです。おかずは、植物性だけでは効率が悪いため、肉などの動物性たんぱくも合わせていきます。そして、ごはんをよく噛んで食べることで胃腸力が上がり、たんぱく質の吸収が良くなります。また、たんぱく質は1度にたくさん吸収できないので、何度かに分けて食べる(3食+捕食)ようにします。
おかずからのたんぱく質は2つのポイントをおさえましょう。
1つは、具沢山みそ汁です。野菜やきのこ類、大豆、ごま、ワカメには、ミネラルなどのサポーターとなる栄養素が含まれており、たんぱく質の吸収効率を高めます。もう1つは、メインのおかずにふくまれるたんぱく質の特徴を意識し、バランスよく選択していきましょう。
以下は1日にたんぱく質を100g摂る場合の、食事の1例になります。性別や体格、運動量等により必要なたんぱく質量は異なってきますが、競技力向上を目指した体づくりをする場合は、多めに摂ることになります。お米を中心に、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質(大豆など)の両方から、工夫して意識的におかずを選択していきましょう。
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