中高生が競技力を伸ばしていくためには、指導者の指導力が求められます。指導者は、日々研修を重ね、指導力を高めていかなくてはなりません。
同時に、指導を受ける側にも求められる力があります。
それは、指導される力です。
指導される力とは、指導者に、「この選手を伸ばしたい」と、強く思わせる力です。
指導者が伸ばしたいと思う選手は、必ずしも競技力が高いわけではありません。(勝利至上主義の指導者は別かもしれませんが、、)
競技力が低くとも、懸命に競技と向き合い、成長しようとする選手はいます。
高校時代、県の強化練習会に参加したことがありました。私は、他校の先生から何か学べることはないかと、様々なことを質問しました。後からわかったことですが、強化練習で指導されていた先生方が、そのことをとても評価してくださっていたそうです。
逆に、その時、私よりもはるかに競技力が高い選手もいたのですが、そちらの参加態度はイマイチでした。能力が高いのは間違いありませんが、真剣さに欠け、指導したいとは、先生方も思わなかったでしょう。
この時の私は、競技力では劣っていましたが、指導される力では勝っていたということになります。
指導者になってから感じる、指導される力が高い選手の特徴は、
➀練習で手を抜きません。
②たとえできないことがあっても、笑ってごまかしません。
③礼儀を身に付けています。(挨拶や返事、言葉遣い、態度)
④質問ができます。(質問ができるということは、考えているということ。)
⑤練習中の無駄なおしゃべりが少なく、時間を有効に使っています。
⑥競技力が高くなってきても、傲慢にならず、謙虚に学ぶ姿勢を持ち続けています。
などがあげられます。一言でいうならば、真面目であるということです。
真面目過ぎて、スランプに陥ってしまったり、融通が利かないといったこともあるのですが、不真面目よりはずっとよいです。不真面目だと、心のコップが下を向いていますから、競技以前の問題です。
最後に、高校時代の強化練習の話です。私は、後に日本インカレ5位までいきますから、その時参加していた選手のほとんどよりも競技力を向上させることができています。指導される力は、即効性はなくとも、長い目で見れば、身に付けるべき力の1つだと考えます。
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