オレゴンで行われている世界陸上について。100mでサニブラウン選手が7位入賞の快挙を達成しました。同種目で日本勢がファイナリストになるのは、世界大会では1932年ロサンゼルス五輪の吉岡隆徳以来90年ぶりです。世界選手権では日本史上初といことで、100mで世界と戦うことがいかに難しいかがわかります。今後は、さらに上を目指し、メダルを獲得してほしいですね。
サニブラウン選手がレース後にインタビューで以下のようなことを言っていました。
「ちょっと準決勝で使い切った感じがあった。体の動きは良かったけど最後、つめが甘かった。
ここで戦うには、(同日に)準決勝を1本走ったあとでも2本目をしっかり走れる強さが必要だと思う。」
サニブラウン選手は予選で9.98というタイムで予選1着通過。準決勝は10秒05、決勝は10秒06でした。恐らくこれは決勝でタイムを伸ばし、9秒台で走れるようにするということを課題にしたのでなはいかと予測します。では他の上位選手は予選からどのようなレース運びをしているのか調べてみます。
1位 F.カーリー (アメリカ ) 9.79 ⇒10.02⇒9.86
3位 T.ブロメル (アメリカ ) 9.89 ⇒9.97⇒9.88
4位O.セビリア (ジャマイカ) 9.93⇒9.90 ⇒9.97
L.テボゴ (ボツワナ) 9.94 ⇒10.17
Z.ヒューズ (イギリス ) 9.97 ⇒10.13
7位サニブラウン (日本) 9.98 ⇒10.05⇒10.06
E.マタディ (リベリア) 9.99 ⇒10.12
F.O.T.アシェ (ナイジェリア ) 10.00 ⇒10.12
A.シセ (コートジボアール) 10.02 ⇒10.16
L.M.ヤコブス (イタリア ) 10.04 ⇒DNS
Y.ブレイク (ジャマイカ ) 10.04 ⇒10.12
2位 M.ブレーシー (アメリカ ) 10.05 ⇒9.93⇒9.88
8位 A.ブラウン (カナダ) 10.06 ⇒10.06⇒10.07
5位A.シンビネ (南アフリカ) 10.07 ⇒9.97⇒10.01
6位C.コールマン (アメリカ) 10.08 ⇒10.05⇒10.01
左から予選、準決勝、決勝のタイムで、予選のタイム順に並べてあります。こう見ると、予選で9秒台を出していても決勝に残れない選手が複数います。逆にアメリカのブレーシー選手などは、予選からタイムを上げていっています。
ちなみにあのウサイン・ボルト選手が世界記録を出した時の大会は、
1予選から、10.21⇒10.02⇒9.89⇒9.58 というように予選は流しのような走りで通過し、決勝でアクセル全開というようなレース運びでした。もちろんボルト選手にずば抜けた力があるからできる走りではあるのですが。
世界大会に限らず、公式戦はラウンド形式の場合が多いです。力が拮抗しているほど、レース運びが重要になってきます。意外な選手が決勝に残る場合があるのも、100mのおもしろさであります。予選からどんな走りをしていくのか、頭の中でイメージを固め、試合に臨みましょう。
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